~2025年9月
徒然なる日記
「歩く」と言う事は。
2025-09-13
ろまん亭では介護度が高くても低くても、立位保持が出来るのであれば介助で出来るだけ歩くように支援しています。
現在要介護5の方は二人います。
一人はろまん亭だけを利用している方。もう一人はろまん亭以外に二カ所のデイサービスと訪問リハを利用しています。
ろまん亭のみを利用している方は立位保持可。しかし足の出は悪いです。それでも。短い距離でも介助で何とか歩くように心がけています。
数か所のデイを利用している方も立位保持は可。介助をすれば足の出は良い方です。眠気が強いと流石に無理ですが(^-^;
お二人とも辛うじて介助で歩行出来ています。まぁ短い距離ですが。
さて、複数のデイと訪問リハを利用している方。実は他の二カ所のデイではほぼ歩行介助をしていないそうなのです。実際歩行介助には介助スタッフに負荷がかかります。女性なら二人介助が必要かも知れません。転倒の危険を考えて歩行介助をせずに車いす対応と言う事だと思います。
そして訪問リハの方は・・・ご自宅で歩行介助をしているそうなのですが、「歩けない」と言う報告だそうです。
ご家族の話しを聞くと、訪問リハの方は両腕で支えての歩行介助。
う~ん、この方の歩行介助は両腕で支えるよりもしっかりと抱きしめるような感じで支援しないと難しいかも知れません。両腕だけで支えての支援では恐らく足の出は悪いと思います。
そして足が出なければ「歩けない」と言う判断になってしまうのだと思います。
さてさて、ここで思うのは・・・
「歩く」と言う事はどんな事なのでしょうか。これはあくまで僕個人の意見として読んで下さい。
要支援や要介護状態でなければ、正しい姿勢で歩くような支援が必要かも知れません。しかし認知症があったり介護度が高かったりする場合は・・・
姿勢云々よりも、歩く動作を続ける事が大切だと思うのです。姿勢は二の次。姿勢を気にし過ぎて歩くこと自体が出来なくなってしまっては本末転倒。
特にろまん亭に居る要介護5のお二人に関しては姿勢よりも歩く動作を継続する事が重要なのです。自分の体重を自分の足で感じる事。
なので、歩行介助も両腕で支えるのではなく、抱きかかえて自分に寄りかからせながら支援しているのです。そうすれば足は前に出ます。
勿論利用者さんの重みはかかりますが、立位保持が出来る方ならば多少は足に力が入ります。少しでも足に力が入って足が前に出るのであれば、僕としては「歩ける」と言う判断。
歩けるのであれば、歩かせましょう!
と言う結論になるのです。
確かに正しい姿勢で歩く事は大切です。しかし認知症や介護度が高くなってしまった場合は正しい姿勢とか正しい歩行の仕方が重要では無く、「歩く動作」が出来るかどうかが重要なのではないでしょうか。
数か所のデイと訪問リハを利用している方、ろまん亭以外からは「歩けない」と言う判断になってしまっているようです。
そんな中、ろまん亭だけは「歩ける」と判断し、今でも出来るだけ歩くように心がけています。
歩行が不安定だと転倒の危険もあります。なので他の事業所さんの判断も間違えていないと思います。
しかし・・・
だからと言って安全な状態を最優先にしては、体の機能は低下の一途、筋力も低下してしまいます。そして・・・歩く動作も忘れて行ってしまうかも知れません。
在宅では家族介護なので、少しでも日常動作を維持出来るような支援も大切です。
まだ足に力が入って立位保持が可能であれば、少しでも立位や歩行を促す必要もあると思うのです。
「歩けない」から後は全て車いす対応は安全かも知れませんが、出来る時はほんの少しでも良いので対応してあげて欲しいと思ってしまいます。
その内に足に力が入らなくなり、立ち上がっても膝が折れてしまう日が来ると思います。そうなった時に初めて車いす対応が中心になるのだと考えます。
足に力が入って膝が折れずに居られるうちは、その機能を有効に使う事が我々の仕事でもあると思うのです。
勿論、物理的に立位介助や歩行介助が難しい場面があると思います。そんな時は車いすを利用しますが、そうでなければ出来る限りの支援っをしてあげたいと思っています。
ご家族から訪問リハの方から「歩けない」と言われました・・・と報告を受けて、少し寂しく感じてしまいました。
まだ足は動くのに。。。
大切なのは正しい姿勢や正しい歩き方では無く、歩く動作の継続だと考えてしまいます。
先にも書きましたが、あくまで僕の持論です。決して他の事業所に対して良し悪しを書いている訳では無いのでご了承ください。
どうやっても無理~!!・・・と言う状態になるまでは、対応し続けたいと思っています(^-^)
気になりだしたら止まらない!!
2025-09-12
認知症の方によくある傾向です。まぁ認知症では無い方々も老若男女、多かれ少なかれ気になるとそればかりが気がかりになってしまう事はあります。
認知症の方はその傾向が特に強いケースが多くあるのです。
一旦気にかかるとそればかりが頭を支配してしまいます。
ある要介護2の利用者さん。
若かりし頃に胃を全摘したそうです。それもあってか、排便を気にしてしまいます。
話しを聞いているとほぼ毎日排便があるようなのですが、どうもすっきり出ない、若しくは本人が納得するような感じで出ない、または出ても何となくお腹が渋い・・・
様々な要因があると思います。
ろまん亭でも気になりだすと何度もトイレに行きます。中の様子は分かりませんが、トイレ毎に排便がある訳では無く、時にはオナラの音がしたり、全く音がしない事もあり。
トイレから出て来ると「出ない・・・どうも調子が悪いなぁ。」と呟きます。「大丈夫ですよ、少しずつでも出ていれば問題ありません。」そうお伝えするのですが、本人は「そうだいね。」と言いつつ受け入れられないようです。
日によってはしっかりと出ている事もあるようですが・・・基本的にはお腹がなんか変な感じ・・・と言う様子です。
「ちょっと出た。」と言う事もあれば「全然でない。」と言う日もあり、「出た!」と言っても時間が経つと「出ていない。」となってしまったり。
う~ん、これは認知症の傾向かも知れません。
出ないとやや不穏になります。何とか意識を逸らそうとするのですが、一度気になりだすと話の途中でもトイレに行きたくなってしまうのです。
ただ・・・意識が全く逸れるとトイレは頭から消え去ります。何とかトイレを意識の外へ出す必要がありますね。
その方法が実はあるのです。
この利用者さんはお話も好きですが歌好きでもあります。iPadで映像付きの昭和歌謡などを一緒に観ているとトイレは頭から消え去る模様。
現在は余りにトイレが気になってしまう時はiPadで一緒に歌の映像を観て歌ったり話したりして過ごしています。これはなかなかの効果があるのです。
その日その時の気になり方によって対応は様々ですが、きょくどに気にする場合はiPad。まぁまぁ気になるようなら会話でも十分気を逸らせられます。
でも一番良いのは本人が納得するような排便がある事ですね(^-^)
少しずつでも毎日出ているので、摘便対応は無しです。摘便はいよいよ自力で排便が難しくなってから。今は自力で出ているので、その都度その都度対応をして行くようにしています。
気になりだしたら止まらない!!
認知症によくあるケースですが、一人一人に適した対応を見つけ出して行きたいと思います(^-^)
話しはいつでも楽しく聞きます♪
2025-09-11
ろまん亭はコミュニケーションを大切にしているデイサービスです。人と人の繋がりを大切に。
認知症であっても無くても、兎に角沢山お話をして過ごして頂いています。
利用者さん達のお話は基本的に同じような内容が多いです。つまりは繰り返しのお話です。それもそのはず、利用者さん達は新しい情報が入りにくいので、どうしても自主的な話しになると、思い出話や思い込みの話など、比較的偏ってしまいます。
同じ話を幾度となく聞いています。
それでも。
皆さんのお話はいつでも楽しく聞くようにしています。まるで初めて聞いたかのようなリアクションを取りながら。なので皆さん同じ話であっても、毎回楽しそうにお話して下さいます。
自分で話す話の内容は当然自身が好きな話題。好きな話題を話す時は皆さんとても楽し気な表情をして下さいます。まるで子供のように無邪気な笑顔で一生懸命話して下さるので、我々も一緒に笑いながら聞き続けます。
実際同じ内容の話しでも、皆さんのお話はとても面白いものが多いです。我々は教科書やテレビで見聞きした事が利用者さん達は実体験。
「本当にそうだったんですね!!」と言う驚きがあります。
我々のリアクションも良いのか、利用者さん達も気持ち良く話しをして下さっています。
認知症の方も・・・認知症だとどうしても繰り返しが多くなってしまいます。内容は時としてバラバラな事もありますが、大方似たようなお話し。
思い込みで話す事もあるし、話しの内容があちこちに飛んで最終的によく分からない内容だったりして(笑)
それはそれで面白いものです(^-^)
・・・なんだ~、また同じ話か・・・
そんな事は一度たりとも思った事はありません。どちらかと言えば、「その話は好きだなぁ」とか「敢えて先回りをして話しを展開してみよう」と、同じ話なら同じ話で、返答に変化を付けてみて、利用者さんの反応をチェックしたりしています。
ただ、会話をしていて感じる事は、多くの事を離していると少しずつ会話内容が広がったり新たに思い出したりする事が増えて来ます。
日常的にも曖昧だった記憶がしっかりして来たり。
つまり、それまでは短期記憶が曖昧だったのに、少しずつ改善しているケースは多く見て来ました。
「〇〇さんは利用開始当初よりも覚えている事が増えたよね。」
そんな会話をスタッフと多くして来ました。
不思議なもので、覚えていて欲しい事は忘れるのですが、忘れて欲しい事は覚えている。
本人の中で印象深い方を覚えていると言う事でしょうか(笑)ならば、覚えて欲しい事を繰り返す事で認知症の方もある程度は記憶に残る可能性があると言う事です。
会話って大事ですね。
出来れば喧嘩のような内容では無く楽しい会話が理想的♪
そんな楽しい会話はろまん亭にお任せ下さい(^-^)
利用開始当初よりも何となく覚えている事が増える利用者さん。日々の会話の賜物でしょうか。
例え同じ内容でも、思い込みや想像の話しでも、ろまん亭ではいつでも楽しく聞き取ります♪
人と人の繋がりを大切に。
ろまん亭のモットーです(^-^)
甘味が残る??
2025-09-10
味覚は色々あります。
甘味・塩味・苦味・辛み・・・・
これまで多くの利用者さん達に食事を提供して来ました。その中で感じる事は、「甘味」が残り易いと言う事です。
高齢な方、特に認知症の方の場合は甘味が強く残っているように感じるのです。もちろん例外はあると思いますが(^-^)
認知症の方で咀嚼や嚥下が不安定な方。食事は余り進まないのですが、デザートになると急に咀嚼と嚥下がしっかりしたりするケースが多くあるのです。
高齢な方の場合も甘味に対する反応はとても良いと感じます。
認知症で食事が余り上手く進まない場合、甘いものを先に食べて頂くと意外とその後の食事の進みが良くなる事が多いと感じます。
なので、食事が進まない場合は甘味を所々に入れて進めてみたり。水分摂取が難しい方の場合も甘味を含ませてから水分を進めると結構進みが良かったり。
上手に甘味を使う事は結構大切なのかも知れません。
食事が進まなくても甘いものを含ませると、次を要求するような仕草をする方は多いです。
つまり・・・味覚は最終的に「甘味」が残り易いと言う事なのかも知れません。
医学的に証明している訳では無く、経験上そう感じるので誰にでも当てはまるものでは無いかも知れませんが、往々にして甘味が一番感じ取れるような気がします。
甘味を丸々食べて頂くと結構な量になってしまうので、小さくして口に含ませて。要は口内に甘みが広がれば良いのです。
糖分の摂取を控えつつ有効に使う事。
食事や水分の進みが不安定な方の場合は有効な可能性は高いと思っています。
あくまでこれまでの利用者さん達の傾向から感じる事なので、僕の私見と思って下さい(笑)
皆さんの甘味を有効に、最大限に使いながら食や水分を進められればと思います。
「飲食」は皆さんにとって最大の楽しみです。
美味しく楽しく食べて頂いて、健康で健やかな日々を提供出来るようにしたいと思います♪♪
お尻の痛み。
2025-09-09
今、お尻の皮むけがある利用者さんが二人います。一人は要介護3でもう一人は要介護5です。
要介護5の利用者さんは数年前に褥瘡が出来ました。幸い褥瘡は治りました。その後はお尻の皮むけに注意しつつ対応をしていたのですが、たった二日で突然お尻に皮むけが出来てしまいました。
現在は塗布薬を付けて様子見。数日後に往診があるので、その時に主治医に診てもらって対応を決めて行く事になると思います。
たぶん痛いと思うのですが、何せ要介護5です。訴えが出来ません。なので、時々体を動かしたりして同じ場所に圧が掛かり続けないように気を付けています。
要介護3の方は・・・以前からお尻に怪しい箇所がありました。そこが皮むけに。こちらの利用者さんも主治医から指示を出して頂いて、塗布薬とガーゼでカバー。
朝夕二回お薬を塗布しています。
要介護3です。痛みの訴えは可能。やはり長く座っているとお尻が痛くなってしまうようなのです。
なので・・・お尻の痛みが出た時は一旦立ち上がって頂いて少しろまん亭内を歩行します。痛みが落ち着いた頃にまた着座。若しくはベッドで横になって頂いてお尻の痛みを和らげます。
「先生(僕の事)、横になっていても良いのですか?」と、遠慮がちに聞いて来ます。
「ええ、大丈夫です。痛い所を圧迫しないようにしていると、大分楽だと思いますよ。」
「はい、今は全然痛くありません。」
「そうでしょ。お昼休みでは無くお尻休めです(笑)」と、軽い冗談を言ってお互い笑って。
痛みや不快感がある時は出来るだけ和ませるように心がけています。この利用者さんは御年99歳。99歳ですがユーモアたっぷりの楽しい方。
こちらが言う冗談も理解して頂けるし、当の本人も冗談を言ったりして我々を笑わせて下さいます。
そんな方の痛みを出来るだけ和らげてあげたいと思っています。
お薬を塗ってガーゼを当てて。皮むけに対してはその位しか出来ません。幸い失禁が無いので、蒸れの心配は少ないのですが何せ紙パンツとパットです。この暑さ、蒸れてしまうと皮膚が柔らかくなってしまい、皮むけの一要因になってしまいます。
栄養はしっかりと摂れているので、後は患部に対して継続的な圧迫を軽減させるしかないのです。
皮むけ・・・褥瘡の一歩手前の患部は痛いと思います。
しっかりと処置をして、せめて気持ちだけでも明るくなって頂けると良いなぁと思っています。
お尻の皮むけは利用者さん達誰にでも起こり得るもの。何とか予防しつつ、もし皮むけてしまった場合は・・・その都度、最適な方法を見つけ出して行くしかありません。
皮むけのお二人、出来るだけ早く治る事を願っています。。。

