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ふれあいと和みの家
≪大利根ろまん亭≫


●有限会社ゲン
〒371-0822
群馬県前橋市下新田町329-11
TEL.027-252-7735
FAX.027-252-7782

≪大利根ろまん亭≫
介護支援事業
≪大利根ろまん亭≫

ろまんの風~徒然日記

このホームページ作成が平成23年。今までの歴史の中様々な利用者さんと出会い、そして別れて・・・ろまんな風では現在の心境や感じた事、進行形で起こっている事柄を綴りたいと思います。時々昔を振り返ったり・・・『ろまんな風』を覗いて見てください。介護を通しての私の心境の変化や成長が垣間見れるかも知れません・・・(^〜^)

過去の徒然日記はこちらから

徒然なる日記

全てを満たさなくても(^-^)

2023-11-30
 認知症の方々は特定も物に執着があったりします。

 今回の利用者さんは・・・

 ベルト・鍵・携帯電話がとても気になる利用者さんです。

 ベルトは・・・ご家族に伺うと、以前より痩せてしまい、ベルトが必須アイテムになったとか。

 鍵は他の利用者さんも含めて一般的に気になるアイテム。そして携帯電話は例え使えなくても手元にあると安心するアイテムです。

 朝のお迎え時にはその三点、三種の神器を確認してから出発するようにしています。

 鍵は特定の場所に置いてあるのでお借りします。携帯電話はバッグの中に必ず入っています。そしてベルトは・・・一応本人に着けているかどうかを確認し、着けていないようならば探して持ち出すようにしています。

 最初から三種の神器を利用者さんに渡しておく事もアリかと思いますが、最初からすべてを満たさなくても良いと思っています。

 状況によっては三種の神器をお預かりしておいて・・・

 その利用者さんが不安定になった時に登場させるのです。

 「あれ・・・?」と、突如鞄を探し始めたりして少し不安そうな表情の時に、「何か探し物ですか?」と伺います。

 「えぇ、あの・・・」

 こんな時は実際自分が何を探しているのか分からなくなっている可能性が高いです。なので、

 「もしかしてベルトですか?こちらで預かっていたので持って来ますね!」と、三種の神器をお渡しします。すると、

 「あぁ、ありがとうございます!持っていてくれたのですね。嬉しいです!」とひと安心。これで一旦は落ち着きます。

 つまり、何を探していたのか分からなくなってしまったけれど、自身が気になるアイテムを持って来てもらえた事によって気持ちが満足するのです。

 これにはもう一つのポイントがあります。それは、本人を安心させる事によって信頼関係が強くなる事です。

 探し物をしている自分に対して大切なアイテムを持っていてくれた・・・と言う事から、「この人に聞けば解決できる。」と言う気持ちになってもらえる可能性があるのです。

 もしそうなれば、後は何事かが起こっても、誘導して安心して頂ける可能性がグッと高くなるのです。

 帰りの送迎車の中で突然鞄をガサゴソし始めたら・・・

 「あ~、〇〇さん。鍵は僕が預かっているから大丈夫ですよ~!鍵は失くし易いから、ご家族から預かっておきました。安心して下さい!」

 そうお伝えすれば、「あぁ良かった~、ありがとうございます。安心したわ~!」と、安心顔。

 ここでも一石二鳥のやり取りが出来るのです。

 初めから必要なアイテムを全て渡してその場の安心感を得る事も必要ですが、時には神器をお預かりしておいて、いざ!と言う場面で登場させる事も大切だと思っています。

 認知症の方々に対しては何事に関してもひと工夫して対応すると、意外と良いリアクションや状況が生まれるものだと思います。

 その場で全てを満たさなくても良いのです。小出しにしながら、継続的に安心感を持ってもらう事、状況によっては信頼関係も深められる事があるのです。

 それぞれの神器を探してみては如何でしょうか(^-^)

新しいパターンで(^-^)

2023-11-29
 要介護5の利用者さんです。これまでは日頃動かないので、出来るだけ座位を保つようにし、出来るだけ手引き歩行をするようにしていました。

 しかし・・・夕方になると疲れが出て来てしまい、ご自宅へ帰る頃には眠気も強く出てしまい・・・夕食時にぐったりしてしまうとご家族から申し送りがありました。

 そこでご家族から「今度食後にお昼寝をさせてみて頂けませんか?」と申し出が。

 もちろんご家族の希望なので、OKです。30分から60分くらいのお昼寝を希望されていたのですが、30分では短すぎるので、60分程度のお昼寝をして頂く事にしました。

 しかしそこには一点問題が・・・それは・・・

 排泄です!!

 この利用者さんのこれまでのパターンだと丁度お昼寝タイム辺りに午後の排尿があるのです。その事をご家族に伝えると、「排尿は仕方ありません、パット交換でお願いします。」との事でした。

 本来ならばお昼寝中にも起こして誘導ですが、今回の依頼は夕食時にしっかり目が覚めた状態にする事。なのでお昼寝も集中してしっかり寝て頂く事が必要だと考えました。

 そして実践です。

 今日は二回目のお試しお昼寝。初回と今回と、やはりお昼寝中に失禁がありました。お昼寝後にお湯を使って陰洗しパット交換です。

 ただ、やはり集中して寝られるので目はパッチリだし発語も多め。夜の様子を聞くと、夕食もしっかりした姿勢でしっかりと食べられているようです。

 「それでしたら良かったです。もう少しお昼寝を組み込んで様子を見て行きましょう。排尿だけは・・・失禁してしまう可能性が高いので、厚めの予備のパットをお願いします。」と言う事になりました。

 寝ている時って意外と尿量が多かったりします。日中起きているのであればトイレ誘導も頻回に出来てトイレでの排尿が可能ですが、寝ているとなると万が一の為に厚手のパットが安心です。

 そこはご家族も了承して下さいました。

 これまではお昼寝をさせずに座位で過ごして頂いていました。要介護5です、やはり一日座位で過ごすと夕方は疲れてしまうようです。

 実際ここ最近は夕方になると涎が出てしまう程の眠気具合。ぐったりと頭も垂れてしまいます。

 この二回ほど、お昼寝をして頂いた様子では、やはり疲れは回復している様子。このパターンは帰宅後に介助し易くなるかも知れません。

 もう少しこのパターンで様子見は必要だと思いますが・・・

 その時その時によって対応を変えて、より良い介助方法を模索する事はとても大切な事です。特にご自宅での介助が少しでも楽になる方法であれば、即実践して様子見です。

 今回の利用者さん、少しでも夕食の介助が楽になると良いなぁと思っています。

 新しいパターンです。失禁は仕方ないとも思いますが、このパターンを続ける中で失禁せずに済みそうな方法があればトライして行こうと思います。

 先ずは夕食時にしっかりした姿勢でしっかりとスムーズに食べられているとの事、ひと安心です(^-^)

呼ばれ方は色々だけど(^-^)

2023-11-28
 利用者さん達は我々スタッフの名前を憶えているケースは意外と少なかったりします。名前を覚えなくても顔を覚えて下さるので問題はありません。

 僕の場合は・・・「社長」と呼ばれる事が多いです。

 しかし利用者さんによっては「親方」と呼ぶ方もいました。

 そして・・・今日は新しい呼ばれ方をしました(^-^)

 それは・・・「板前さん」です(笑)

 確かに調理スタッフが退職してから殆ど毎食僕が作っています。午前中は常に台所に立って調理をしているので、「板前さん」と呼んだのだと思いますが・・・

 「あの板前さんが色々と知っていて教えてくれるから安心なのです。」と。

 少々説明すると~。

 要介護1の利用者さん。認知症があります。瞬間的に不安になったり、心配事が出て来てしまったり。そうなると、その都度台所まで来て、

 「どうもお世話になりました。そろそろ帰ろうと思います。ありがとうございます。」と話しかけてくるのです。

 「いえいえとんでもありません。こちらこそありがとうございます!分かりました、もう少しお待ちくださいね。」

 このやり取りで一回リセット出来ているのです。そして最近は「ウチの母がどこにいるのか分からないのです。」・・・と言う事を話すようになりました。

 「あ~、お母さんですね。先ほど連絡があって今は買い物へ行っているそうです。〇〇さんが公民館に来ている事を知っているし、出かける事を〇〇さんに言っていなかったから心配して連絡をくれたようですよ~。」と、少々作り話をします。

 でも、この内容で利用者さんは「そうですか~、良かったです!いつもありがとうございます!!」

 そう言って落ち着いて居間に戻って過ごせるのです。

 「板前さんに聞けば何でも分かるから安心です♪」と、ろまん亭のスタッフに言ってくれたそうです。

 嬉しいではありませんか(^-^)

 信頼してもらえるようになれば、ある程度不安定になっても安心して頂ける可能性が大きくなります。この利用者さんに限らず、ろまん亭を利用している皆さんに「信頼」して頂けるように対応しているのですから。

 「信頼」して頂ければある程度の誘導も可能になります。

 今回は「何でも聞けば教えてくれて安心。」と言う気持ちになってもらえている事が分かり、ホッとしたり嬉しかったり♪♪

 それに併せて「板前さん」と呼ばれてスタッフと一緒に笑ってしまいました(^-^)確かに毎回調理しているので~♪♪

 利用者さんからの呼ばれ方は何でも良いのです。一番大切なのは「信頼してもらう事。」なのですから。

 「社長」「親方」「板前さん」。

 呼ばれ方は色々ですが、「あの人に聞けば安心。」と思って頂けた事が分かった事が今日の収穫です(^-^)

 「板前さん」と呼ばれるのも満更ではないかなぁ(笑)

 利用者さんと密に接して、これからも安心して過ごして頂けるような対応を心掛けたいと思います☆

認知症の方の思考とは。

2023-11-27
 これまで多くの利用者さん達とお付き合いをさせて頂きました。様々なケースがあり、その経験が今に活きていると思います。

 新しい利用者さんと出会うと、「こんな感じの方がいたような・・・」と、思い出す事も多くあります。

 さて、認知症の方々の思考についてちょっと書いてみたいと思います。

 認知症と言っても、進行の途中の方々のお話です。

 9月から利用開始になった利用者さん。精神的に不安定な部分があります。心配事などがあるとその事に思考が縛られてしまい、なかなか抜け出せません。

 このケースは・・・実はろまん亭開設当初に利用されていた方によく似ているケースなのです。開設当初の利用者さんは男性でした。実は議員さんをやっており、時間に縛られてしまう方でした。

 帰宅時間が例えば4時だとすると、時間が近付くにつれて「4時・・4時・・・4時・・・4時・・・。」とブツブツ呟き始めます。「〇〇さん、お茶は如何ですか?」と聞いても「4時ですか?」と、まるっきりこちらの話が入って行かないのです。

 そんな方に、「〇〇さん、今頭の中は何を考えているのですか?」と質問をしたことがあります。するとその答えは「4時です。」と(笑)

 う~ん、イメージとしては頭の中を4時と言う文字がグルグル巡っているのではないでしょうか(^-^)

 そして実際4時になり、帰りの送迎車に乗ると今度は一転、とてもまともなやり取りが出来るようになるのです。送迎車の中では歴史の話や政治の話など、結構真面目な話しをしていた事を思い出します。

 さて、新規の利用者さんの話に戻りますが・・・

 今回の利用者さんも一度思い浮かぶとその思考から解き放たれるのがとても難しいようなのです。例えば一度家の事が気になると、もう帰らずにはいられない気持ちで一杯になってしまうようなのです。

 そんな時に聞いてみました。「〇〇さん、今は何を考えているのですか?」と。

 そうです、開設当初の利用者さんに聞いた質問。すると答えは「帰りたい事だけです。」と。

 やはり。

 一度思い浮かべるとその思いを達成しないと抜け出せないタイプかも知れません。確かにいくら別の話をして気を逸らせようとしても、一度思い込んだら周囲の話が入って行かないのです。

 このケースはとても難しい一面があります。

 認知症が進んで、一度思い込んだ事を忘れてしまうようであれば気持ちを一新出来るのですが、思い込んだ事を忘れないケースだと正直難しい。

 瞬間的に気持ちを逸らして・・・の繰り返しで時間を引っ張る事くらいしか出来ないのです。幸い新規の利用者さんは穏やかな方なので、一度気を逸らせば瞬間的には落ち着いて下さいます。

 もちろんすぐに戻ってしまいますが・・・

 それでも一瞬だけでも気が逸れるのですから、何とか対処の仕様があります。そしてその思いを遂げられない事に怒りを爆発させる事はないので助かります。

 瞬間笑って誤魔化せるので。

 認知症の方々、特に初期の方々は上記にもあるように、一度思い込んだらその事が頭の中を支配してしまうケースが多くあります。

 最も有効な対応はやはりその思いを先ずは満たす事。満たした後、別の事に気持ちをむける事だと思うのです。

 興味があったり思い込んだ思考を上書き出来るような事があれば割と抜け出せるかもしれません。

 それを探すのは少々難しい。何せその時その時で何に興味があるのかが変化するのですから。

 なので、その日に食い付きが良かった話題をチェックするのはとても重要であり大切な事なのです。もしとても反応が良い話しであれば、何度か繰り返す事も有効です。

 認知症の方の場合は「〇〇だから××。」と言う定型はありません。常に変化し、常に流動的。

 つまり我々は常日頃から臨機応変に柔軟に対応して行かなければならないのです。

 それが認知症の方々に対応する最善の方法だと思っています。

 認知症・・・特に初期の方は認知症とそうではない思考の狭間で揺れ動いています。不安を感じています。ストレスを感じています。

 そう言った不安やストレスが強くなればなるほど認知症の進行も早まってしまうかも知れません。不安やストレスが少ない環境作りは大切ですね。

 もちろんご家族だけでは難しいので、第三者である我々介護事業所を有効に利用して頂くのが良いのではないでしょうか。

 そして我々はそんなご家族や利用者さん達の為に存在して行かなければならないのです。

 これまで多くの方々とお付き合いをさせて頂きました。その方々の対応が今に活きています。似たようなケースがあれば対応方法も参考に出来ます。

 医学的な根拠などは全くありませんが、多くの利用者さん達からの多くの貴重な経験をさせて頂き、これからの利用者さん達に活かして行ければ良いなぁと思っています。

 多くの利用者さん達からのギフト。それは貴重な経験です。

 そんな経験を大切に、今後も利用者さん達と向き合って行ければと思います♪♪

協同作業。

2023-11-25
 要介護1の利用者さん。ランチタイム利用の方です。

 最近はとても落ち着いていて、皆さんと談笑しています。会話は分かり易くシンプルに。変に考えてしまうような内容は避けます。

 考える内容だと混乱してしまい、分からないと不安になってしまうからです。分かり易くシンプルな会話。質問をするにも簡単な言葉を選んで投げかけます。

 帰宅願望は未だに出ますが、以前に比べたら格段と少なくなりました。

 今がチャンスです。

 慣れて来て、不安定になる事が少なくなりました。少し出来る事を増やして行こうと思います。

 そこで・・・

 午前中は一緒にお掃除や洗濯ものを干す事にしました。掃除と言ってもコロコロを使って絨毯のゴミを取り除きます。簡単~♪簡単~♪

 柄を持ってスタッフと喋りながらコロコロするだけ。

 その後は一緒に洗濯物干し。こちらもスタッフと一緒に喋りながら干して頂きます。

 普段ご自宅でも日常的に行っている家事です。気分転換にもなるので良い作業だと思います。

 そしてそして~。仕上げは。

 食事が終わってから一緒に食器洗いと食器拭きです。何度か食器洗いと食器拭きの様子を見ましたが、どちらかと言うと食器拭きの方が合っているようです。

 食器洗いだとスポンジを使ったり使わなかったりしてしまいます。食器拭きなら拭くだけなので、よりシンプルな作業です。後者の方がこの利用者さんには合っていると判断。

 なので、僕が洗って隣で拭いて頂いて。拭き終わったら後ろの台に運んで頂いて。時には一度拭いた食器を再度拭いてしまいますが、そこは全く問題ありません。

 何なら二度も三度も拭いて頂いてOKなのです(^-^)その分時間もかけられますので。

 ただ、この利用者さんはとても手早いです!!食器洗いが間に合わないくらい素早く拭いてしまうので、二度三度拭いて頂けると割と有難かったりします(笑)

 自称「せっかち」さん♪♪

 「私はせっかちだから・・・」

 これがちょっとした口癖です(^-^)

 「いえいえ、そんな事はありませんよ~。手慣れているから早いんです。ありがとうございます!」

 そんな会話をしながら共同作業。利用者さん自身も「何かの役に立つ。」と言う認識になるようで、満更ではありません。

 そして食器拭きが終わると気分も変わるようで、帰宅願望が減るように思います。

 本人が安定するし食器拭きを手伝って頂けるし・・・

 まさに一石二鳥です♪♪

 要介護1で認知症ではありますが、まだまだ出来る事は沢山あるし、声掛けの工夫で十分気持ちを安定させる事は可能だと感じます。

 時々本人が、「脳の病気で頭の中が混乱して・・・」と、不安そうに話したりします。そんな時は、「大丈夫、大丈夫。もし混乱しているのなら、焦らなくてもいいですよ。無理して話そうとしなくていいですよ。周りの話を聞いて笑って頷いていれば大丈夫。僕らも同じように混乱してしまう事があるのですから。」とお答えします。

 頭が混乱して何を話して良いのか分からなくなってしまい、軽いパニック状態に陥るのだと思います。そんな時は焦らずに。無理して言葉を探さなくても大丈夫。そしてみんなも同じなんだと言う事をお伝えして少しでも安心して頂けたらと思っています。

 認知症の狭間の状況。恐らく一番辛い期間かも知れません。

 だとしたら。出来る限り楽しく安心して過ごして頂けるような対応や声掛けが出来ると良いなぁと日頃スタッフとも話をしています。

 体はしっかり動くので~。スタッフと一緒に軽作業をしながら「ちゃんと役に立っていますよ~!」と実感して頂ければと思います。

 いやいや、本当に手伝って頂けて助かっています。これは本音で~す♪

 感謝です☆
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