本文へ移動
1
1
1
4
0
7
ふれあいと和みの家
≪大利根ろまん亭≫


●有限会社ゲン
〒371-0822
群馬県前橋市下新田町329-11
TEL.027-252-7735
FAX.027-252-7782

≪大利根ろまん亭≫
介護支援事業
≪大利根ろまん亭≫

ろまんな轍~介護史~

・・・・・・轍・・・・・・

RSS(別ウィンドウで開きます) 

突然の幕引き・・・4

2013-03-22
 半身麻痺の方は本当に重く感じます。

 介助者が「重い」と感じるわけですから、当の本人は相当重く感じ、しかも動きが厳しいと思います。

 しかしだからといって動かないわけには行きません。動かないなりに動いていただかないと。

 花子さんの最初のミスは・・・・

 ご家族が心配する余りに、過剰な援助をしてしまったことにありました。入院中から病室で寝泊りし、マメに面倒を見たそうです。しかし、これが在宅に戻ってから大きな障害となっていくのです。

 在宅に戻れば当然自分で出来ることは自分でするようになっていきます。しかし最初の時点で周囲に過剰にお世話をしてもらった記憶・印象が抜け切れず、花子さんは受身の精神状態になっていました。更に輪をかけて問題だったのが、

 「自分の親を子供が看るのが当たり前・・・」

 この気持が人一倍あったことです。その気持に最初の手厚い援助。こうなってしまうと、在宅に戻っても自分から動こうとしません。

 自宅での転倒から約3ヶ月が経ちました。いよいよ退院です。今回は流石に大丈夫。利用がスタートします。

 しかし退院当初から問題が発生しました。ほんの数ヶ月の間に、家族間の関係がかなり悪化しているのです。問題なのは、花子さんの受身の姿勢、そして人任せの割りに要求が多いこと。気に食わないと家族に罵声を浴びせる事。

 例えば・・・

 花子さんがトイレなどの移動時、家族にドアを開けて欲しい。開けないのは意地が悪いから。

 そんな風に考えていたようです。だから些細な事でも手を出さない家族に対して暴言が多く出てきました。家族だってストレスが溜まります。一々文句を言われ、暴言を浴びせられ、当然喧嘩になっていきます。

 花子さんには認知症の診断が出ていません。ですから思考的には問題ないのです。なので家族からの要望で、色々と順を追って話していく事になりました。家族の大切さ、家族のストレス、勿論花子さんの立場からの話しも聞いたしアドバイスもしました。

 今回のケースに関しては、もう少し花子さんが家族に寄り添っていければ、かなり良好な関係が築けそうなケースです。だから僕も必死になって時間を取って話し続けます。

 長いときは3時間位は話しました。それもほぼ毎日。

 話したときは良い返事、分かったような態度。しかし蓋を開ければ3日〜7日くらいで元に逆戻り。これでは何の進展もありません。家族のストレスは増える一方です。

 どうすれば良い方向に向かえるのか?

 スタッフ一同で話し合います。どうすれば家族の気持を分かってもらえるのか?

 ここで誤解が無いように・・・花子さんに一方的に押し付けている訳ではありません。家族だって歩み寄る努力は必要です。花子さんに話すと同時に家族にも花子さんの気持を伝える努力をしていきました。

 状況は一向に変わらないけど・・・・・負のスパイラルに嵌っている・・・・そんな気がしながらも、何とか改善出来る様にお手伝いは続くのでした。

 続く。

突然の幕引き・・・3

2013-03-21
 花子さん。退院後初の利用日です。

 花子さんは脳出血の為重度の左半身麻痺です。

 それまで半身麻痺の利用者さんはいなかったので、少し緊張します。どのように援助すべきか、どんなリハビリをすれば良いのか。

 色々考えていても仕方ありません。お迎え当日、いざ!出陣!!

 ろまん亭から約15分の道のりです。到着します。玄関を開けて、元気に挨拶。

 「おはようございます!!」

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 返事がありません。もう一度、「おはようございます!!ろまん亭です!!」

 出来るだけ響くように、挨拶します。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 返事がありません。

 花子さんのご家族は学生さんと娘が働きに出ているので、朝は花子さん一人の予定。しかしいくら待てども返事がありません。こんな時はどうするか?そのまま帰るわけには行かないので、思い切ってあがります。

 「失礼します!!」  誰かいるかどうかも分からず、とりあえず大きな声を出して居間へと向かいます。花子さんの自室は居間のすぐ横。何となく緊張感が出てきます。

 「もしかして、最悪の状況か・・・?」

 こんなケースは初めて。どうすれば良いのかも分からず、兎に角花子さんの部屋の扉をノックして、中を覗きます。するとそこには・・・・・!!!

 花子さんが寝ているではありませんか!!え〜!!デイの初日に寝ているの???驚きと安堵で一瞬脱力です。しかしそれも束の間。

花子さん「済みません、足が痛くて・・・」
僕    「どうしました?」

花子さん「朝転んでしまって・・・・」
僕    「・・・・・・。」

 緊急なケースです。先ほどの安堵感はどこ吹く風、これはもしかしたら大腿骨に何かあったかも知れない!!

 咄嗟に判断してまずはろまん亭に連絡、娘に連絡します。幸い初日と言うこともあり、娘にはすぐ連絡がついたのですが、娘はどうしたらいいか半分パニック状態。こうなると救急車でもいいのですが、花子さん自身辛うじて動けるので、送迎車で病院へ向かう事にしました。あまりに大袈裟になりすぎても、娘が困惑しそうなので・・・・

 なので、僕の車に乗せて受診する事にしました。痛みが出ないように担ぎます。しかし!!花子さん、重い!!麻痺がある方って本当に重いんです。

 あ〜、体に力が入らないと、こんなにも重いんだな〜。。。。。実感しました。

 既にTシャツは汗びっしょり。しかし根を上げるわけには行きません。何とか根性で車に乗せ病院へ。この間も娘は半パニック。。。付き添わざるを得ない感じです。ろまん亭に連絡し、ある程度きりの良いところまで付き添う旨伝えて受診です。

 レントゲンの結果、大腿部のヒビ。即入院です。

 退院して翌日、今度は大腿部のヒビによりまた入院。完治してろまん亭の利用が始まるのはこれから約3ヵ月後になってしまうのです。

 今思えば、初回から波乱のある方でした・・・・・・(^−^;

     続く・・・・

突然の幕引き・・・2

2013-03-18
 花子さん(仮称)。

 初めてお会いしたのはまだ70代半ば頃でしょうか。脳出血2度目。左半身麻痺。重度との診断。リハビリをしても動く見込みは無いとの事。認知は無し。

 年齢的にはとても若い方です。同居家族は、娘とその子供達2人。上の子は22〜23歳、下の子はまだ高校生。

 何となく頼りない家族構成ではありますが、何故ろまん亭だったのか?

 実は娘さんは配達の仕事をしていて、ろまん亭には週に1度、届け物を持ってきてくれていたのです。

 そして花子さんが退院の目処が立ったという事で、まずはケアマネージャーを担当して欲しいとのことでした。流れからすると、恐らくデイサービスも使うことになると思います。

 思ったとおり、退院してその翌日にはデイサービスを使うことになるのですが・・・・

 まずは第一印象。協調性もあり、自分自身の麻痺の事で落ち込んでいる様子も無い。良く話すし、終始ニコニコしている。デイサービスには向いていそうです。人当たりも良いようです。

 麻痺の方が明るく前向きであれば、他の利用者さんの希望になれると思いました。勇気をもらえると思いました。だから花子さんが利用することに戸惑いも無く、スムーズに受け入れることが出来たのですが・・・・・

 色々な問題が起こることなんて、全く予想していませんでした。と言うより、問題が起こりそうな雰囲気を全く持っていなかったので、これから長くなるお付き合いで「家族とは何か?」「人の幸せとは?」・・・と言うことを考えさせられるとは・・・・いろんな問題を含んでいるので、ご覧の皆様にも当てはまることもあるかと思います。それらを如何にして解決してきたかを、ゆっくり書いていこうと思います。

 花子さん。

 兎に角人当たりは良いんです。人当たりは・・・・。

  続く

突然の幕引き・・・1

2013-03-15
 長い。兎に角長いお付き合いでした。・・・いえ、長いというより、濃密なお付き合いでした。

 沢山問題はありました。家庭でも、ろまん亭でも。それがこんなに突然の幕引きなんて・・・・あるんですね。

 今回約1年ぶりに「ろまんな轍」を再開することにしました。この1年でも様々な別れ出会いがありました。その中で、余りにも突然利用が中止になった方。

 その方のお話しをポツポツして行きたいと思います。様々な問題がありました。家族も本人も苦しくストレスが積もってしまう、そんな状況の中、その方に関わる全ての人が頑張っていたと思います。苦しい中でも頑張って家族介護を続けた家庭のお話です。

 きっと長くなると思います。

 時々更新します。

 僕の記憶の中では恐らくいつまでも消えないものとなっています。話も前後するかも知れません。でも、書いておいたほうが良いのかも知れません。

 兎に角まずは始めないと・・・・・

 今回は前置きだけにしておきます。ご興味のある方は是非読み続けてみてください。

 よろしくお願いします!!

コミュニケーションを大切に!

2012-03-09
 何度も書いていますが、ろまん亭ではコミュニケーションを大切にしています。

 つまり利用者さん同士のつながりを大切にしています。認知症がある方は一般の会話の中には入りにくいと考えられます。なぜならば、同じ話しを繰り返したり、人の話を聞かなかったり・・・入れない理由は様々。そんな方達を普通な感覚でコミュニケーションが取れるように配慮しなければいけません。

 この作業は一朝一夕では出来ません。まずろまん亭で働き始めてぶつかる壁です。1日2日なら問題ないのですが、それが毎日続きます。踏ん張りすぎてもダメなんです。ペースをしっかり保ち、自分の精神面も安定させながら接遇します。

 今僕の右腕と言うべきスタッフも入社して10年となります。今ではかなりのベテラン、他のどの事業所に行っても心のこもった援助が出来るはずです。入社間もない頃はなんとも頼りない部分がありましたが・・・(^−^;

 だれもが最初から心のこもった援助が出来るわけではありませんが、日々の中で自分なりに考えて動けば必ず心を込められるようになると思います。この自分なりに考える事こそが重要なんです。マニュアルでは図れない事が起きるのが介護の現場です。そしてそこに到達できるまでは頑張らねばなりません。

 マン・ツー・マンの対応は比較的楽です。しかし複数人いる中での対応は様々なチョイスが出てきます。最善の対応を即時選択して実践しなければいけません。

 利用者さん同士で

「あの人は頭がおかしい」や「同じことしか言わない」

なんて印象を植え付けたくないので、日ごろからスタッフのミーティングで情報共有するようにしています。

 これが現在のろまん亭に通じている最も大切にしていることなのです。

 利用者さん同士のトラブルの少なさは自慢できることだと胸を張って言えることです。

 こんな会社で頑張ってくれているスタッフ全員に感謝です(^−^)
TOPへ戻る