・・・・・・轍・・・・・・
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2024-02-22T13:04:31+09:00
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2013-06-06T00:00:00+09:00
突然の幕引き・・・9(最終章)
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1093#block67-1093
1
ある冬の夜でした。<br />
<br />
突然携帯電話が鳴り響きます。番号を確認すると、何と花子さんの孫からでした。<br />
<br />
孫「母が亡くなりました。」<br />
<br />
え??何が起こったのか一瞬分かりません。だってつい昨日元気でいたはずなのに・・・青天の霹靂。まるで事実が飲み込めません。しかし、しかし確実に花子さんの孫は言い続けます。<br />
<br />
孫「母が亡くなったんです。」<br />
<br />
状況を聞いたら次のようでした。<br />
<br />
数日前から頭痛の訴えがあったそうです。しかし一過性の頭痛だと思っていたらしいのです。看護師である花子さんの孫が夜勤から帰宅すると・・・・既に息を引き取っていた花子さんの娘が寝室で横になっていました。くも膜下出血だったそうです。<br />
<br />
まるで眠るようになくなっていたそうです。<br />
<br />
これがストレスからくるものなのか、そうでないものなのかは分かりません。しかし確実に日頃のストレスは何某かの作用を起こしていたと感じます。<br />
<br />
葬儀は家族葬で。しかしここで何故か僕も参列するように頼まれます。花子さんの付き添い。そして花子さんの娘が僕に対してとても信頼を寄せていてくれた事。そんな理由で家族葬ではありますが、参列させていただきました。<br />
<br />
花子さんは何だか上の空。まるで実感が無い様子です。本人はこのことをどのように捕らえているのか?今更聞くこともありませんが、何か感じることがあると良いなぁ・・・と思いました。<br />
<br />
突然の主介護者の他界。果たして花子さんはどうなるのか?介護放棄している孫達が面倒を見るのか?<br />
<br />
その部分は花子さんのもう一人の娘と息子、同居の孫達との話しになります。<br />
<br />
花子さんの娘が他界してから約一ヶ月は孫が面倒を見ていました。しかし明らかに限界。たった一ヶ月で限界です。何となくしおらしくなったようにも思いましたが、根本は変わっていないようです。<br />
<br />
僕は・・・入所を勧めます。他には娘と息子に任せるように勧めます。<br />
<br />
孫達も亡くなった娘と同じ轍を踏まないように、出来るだけ早く介護から離れるようにアドバイスします。もうこれ以上花子さん一家が苦しまないよう願います。<br />
<br />
花子さんの孫は看護師です。勤務先の病院のソーシャルワーカーに相談するよう持ちかけ、相談した結果、勤務先病院に社会的入院が出来ることになりました。期限は決まっていませんが、とにかく孫達が介護から離れる事ができる。<br />
<br />
デイサービスに来られなくなるのはちょっと寂しい感じはしますが、今回の社会的入院は現状ベストな選択だと思いました。<br />
<br />
程なくして花子さんは入院となります。そこから数ヶ月は何かにつけて問題があると孫達から連絡がありました。しかし最近は連絡もプツリと途絶え最後に聞いた話では結局息子が引き取る事になったとか・・・・<br />
<br />
これまでの事を繰り返さない事を祈らずにはいられません。<br />
<br />
一体花子さんの娘の人生はなんだったのでしょうか。考えると悲しくなってしまいます。もっと出来ることがあったのではないか?娘は幸せだったのか?<br />
<br />
考えれば考えるほど自分自身の不甲斐無さがこみ上げます。<br />
<br />
最終的に息子が引き取る。・・・・これで良かったのだろうか。。。。
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2013-05-13T00:00:00+09:00
突然の幕引き・・・8
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1092#block67-1092
1
かれこれ利用始めて7年が経ちました。その間同じことの繰返しです。<br />
<br />
娘さんのストレスもなんだか年中行事のような様相になっています。<br />
<br />
入所させたい→いや、でももう少し頑張ってみる→何とか出来そう→やはりダメかも・・・・<br />
<br />
こんな感じの繰返し。負のスパイラルです。こうなってくると我々はどのように接すれば良いのか?<br />
<br />
流石に娘さんの表情や声でその時の機嫌の良し悪しを見分ける事が出来始めました。なのでストレスを感じているような時は話しを聞いて、機嫌が良いときは楽しい話しをする。兎に角娘さんの状況に応じて対応していました。その中でも勿論花子さんには出来るだけ家族の希望を聞くことを促します。<br />
<br />
穏やかな日も沢山ありました。でもトータルすると険悪な状態の日々のほうが長かったと思います。<br />
<br />
ストレスは娘さんにのしかかってきます。積み重なっていきます。<br />
<br />
問題は花子さんだけではありませんでした。<br />
<br />
一家の中心だったので、家族を支えなければいけませんでした。そんな中、同居の孫達の介護離れ。孤立無援の状態が発生しています。肝心の花子さんといえば、相変わらずです。<br />
<br />
積み重なっていくストレスに、時折体調不良の訴えが出てきています。我々も受診をお勧めしたのですが・・・・<br />
<br />
仕事に家事に追われ、自分の時間が取れない様子です。<br />
<br />
ショートステイも勧めました。しかし結局戻ってくる事を考えると・・・・と言う理由で受けません。我々としても八方塞がりです。入所も結局受けてくれずに・・・・<br />
<br />
ただただストレスが積み重なる日々が続いていくのでした。<br />
<br />
我々はどうすれば良いのか?毎日スタッフミーティングで議題に上がります。手の打ちようが無い。入所もダメ、ショートステイもダメ。花子さんと娘が完全に離れる時間帯はデイサービスの時間のみ。<br />
<br />
我々はどうすれば良かった?何か良い方法は無かったのか??<br />
<br />
娘の姉妹達も全く援助の音沙汰はありません。<br />
<br />
我々は何も出来ないのか?ほんの一時、ストレスを発散させる事しか出来ないのか??<br />
<br />
僕はそんな中、進んで花子さんの送迎に絡みました。花子さんの送迎を一番最後にし、娘がいたら兎に角世間話をする。ちょっとでも気がまぎれるように出来るだけ楽しい話しをする。笑って頂く。<br />
<br />
そんなちっぽけな事しか思いつかない自分は・・・・情けない。。。。<br />
<br />
続く
-
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2013-04-19T00:00:00+09:00
突然の幕引き・・・7
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1091#block67-1091
1
案の定、程なくして娘は花子さんに手を上げることとなります。とは言っても日常茶飯事ではありません。やはり予想した通り、手を上げたあとは自己嫌悪に苛まれていました。<br />
<br />
手を上げた後は約束通り必ず報告をしてくれます。これが救いでした。<br />
<br />
ご自宅では何が起こっているのかわかりません。しかし、どんな事であろうと、報告をしてくださるので対応もし易かったです。手を上げてしまった原因も聞かせていただきました。<br />
<br />
原因を聞いてみると、どのように贔屓目に見ても花子さんに非があります。その場合、花子さんには何故娘が手を上げてしまったかを説明し、どのようにすればその様な事が起こらなかったかを話します。<br />
<br />
例の如く話しているときの返事はとても良いのですが、その後継続してその気持ちを持続できません。こうなると繰返しが起こります。<br />
<br />
これは虐待になるか?<br />
<br />
自分自身に問いかけます。<br />
<br />
そしてある日、娘さんがかなり深刻な表情で話してきました。<br />
<br />
「昨日母の首を絞めました。」<br />
<br />
その瞬間、これはもうストレスを軽減して・・・なんて悠長な事は言ってられません。場合によっては市役所もしくは県に報告もしなければなりません。そして話しの続きを聞きます。<br />
<br />
「どうしても我慢できなかったんです。トイレに入って私に暴言を叫ぶんです。」<br />
<br />
つまり理由はこうです。<br />
<br />
・・・・・排泄のコントロールが上手くできない花子さん。紙パンツはご自宅の日中でも濡れてしまいます。ろまん亭では失禁は全く無いのですが、自宅ではダメ。そして履き替えるならまだしも、濡れて染み出ていても履き替えない。そこで家族が注意すれば暴言で返してくる・・・・・・・<br />
<br />
花子さんはトイレに入って娘に暴言を吐き続けました。これには耐え切れず、トイレの扉を開けて首を絞めた・・・・と言うのです。しかしこれにはまだまだ続きがあります。<br />
<br />
「母はどうしたと思いますか?・・・・首を絞めた私に対して唾を吐きかけてきたんです。」<br />
<br />
なるほど。花子さんは負けじと反撃してきたとの事。<br />
<br />
今回の他にも家族に対して動く足で蹴り上げようとしたり、暴力的な行動は時々あったそうです。(花子さんは左半身麻痺です)<br />
<br />
麻痺があっても攻撃してきたり、今回の首絞めの件も反撃したり・・・・<br />
<br />
これはもう虐待ではありません。喧嘩です。母と娘の喧嘩。<br />
<br />
一方的に暴力を受けるのではなく、反撃し、時には蹴り上げようとしたり杖を振り上げてみたり。これって虐待を受けている人の行動でしょうか。少なくても僕にはそうは見えません。これは喧嘩。<br />
<br />
しかし「首を絞める」行為はやはりしてはいけません。その行為について、十分注意させていただきましたし、本人もそのことは深く反省していました。花子さんは・・・・・<br />
<br />
何も響かず何も感じていません。<br />
<br />
これでは家族崩壊も可能性としてはでてきます。<br />
<br />
同居の孫も既に気持ちは離れています。実質介護の負担は娘のみ。精神的肉体的にどんどん追い詰められています。我々はと言うと、娘の話しを聞いて、出来るだけ花子さんに家族に協力するように話し続けます。<br />
<br />
虚しい堂々巡りと知りながら・・・・<br />
<br />
続く<br />
<br />
-
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2013-04-08T00:00:00+09:00
突然の幕引き・・・6
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1090#block67-1090
1
家族との折り合いは日に日に悪くなる一方です。どうにも解消できません。<br />
<br />
何度話しても何度言い聞かせても、結局は元の木阿弥。家族のストレスは大きくなる一方です。こうなってくると心配なのが虐待。つまり手が出てしまうのではないかと言う事。<br />
<br />
確かに暴力を振るうのは良くありません。しかし花子さん一家については、暴力を振るった方が悪い・・・とは言い難い気がします。<br />
<br />
なぜかと言うと・・・<br />
<br />
ニュースなどで虐待の話しが出ます。殆どの場合暴力を振るってしまった人に非があると言うニュアンス。でも状況をよく見ていくと実際はそうだと言い切れなくなる事だってあります。<br />
<br />
花子さんの家族については正にその様な感覚を受けました。第三者から見ても花子さんの言葉の暴力や自分勝手加減が常軌を逸しています。これは家族が精神的虐待を受けているような、そんな風にも見えてきます。<br />
<br />
家族がいくら頑張ってみても、当の本人が全く言う事を聞かずに生活している。<br />
<br />
排泄管理も出来ない、時間もルーズ、食事もボロボロこぼしながら食べる・・・・ちゃんとすれば出来る方なんです。そのことを注意すれば、暴言が返って来ます。これでは家族もたまりません。<br />
<br />
巡り巡って手が出てもおかしくない状況です。<br />
<br />
ろまん亭を利用して数年経っています。この数年、本当に良く我慢していたと思います。勿論家族だって花子さんに対してきつく言ったり口げんかはあったと思います。しかし何遍見ても何遍聞いても家族の方が精神的にやられてしまっています。<br />
<br />
花子さんの家族に虐待の話しをしました。もし花子さんに手を出してしまう事があるのなら、必ず僕に言って欲しいと。それによって大きな虐待に繋がらないように抑制をしなければいけません。<br />
<br />
虐待はするほうもされるほうも傷つきます。するほうは自己嫌悪。でも我慢できずに手を上げて。そして自己嫌悪。負のスパイラルです。少しでも精神的にフォローしたいと思いながら、家族が手を上げるのも仕方なし・・・と、思い始めていきました。<br />
<br />
ただ、手を上げたときは心の痛みを少しでも共有できれば、ご家族の精神的な負担が軽くなるのではないかと考えたのです。<br />
<br />
この状態からまだまだ数年が過ぎていくのでした・・・・<br />
<br />
続く
-
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2013-04-02T00:00:00+09:00
突然の幕引き・・・5
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1089#block67-1089
1
受身の姿勢の花子さんと家族、折り合いが合うはずもありません。<br />
<br />
自宅に戻ると喧嘩が絶えません。それを見ている孫達にまで変化が出てきてしまいました。それまで自宅での歩行練習に付き添ってくれていたのに、次第に付き添わなくなり、目に余るような傍若無人な暴言を花子さんが言うと、それを上回るように反撃して・・・・<br />
<br />
あんなに優しかった孫まで変化してきてしまっています。当の花子さんはその事に全く気付いていません。送迎時に娘から色々状況を聞きます。家庭内の不協和音。改善できる見込みが見えてきません。<br />
<br />
この頃になると家族は花子さんを生理的に受け入れられなくなってきます。要はその存在自体に嫌悪感を抱いてしまい、些細な事にも過剰反応。こうなってしまうと更に改善は難しい。<br />
<br />
でも家族の心の根底にあるのは、せめて花子さんが反発せずに素直に何でも話してくれれば面倒見る気持なんです。当然家族も努力しています。多少暴言が出ても怒らず、優しく接する。<br />
<br />
これって相当厳しい事なんです。<br />
<br />
「よく頑張っています!」<br />
<br />
我々は家族の努力を認めてあげることくらいしか出来ないのでしょうか。<br />
<br />
花子さんはほぼ毎日デイサービスを利用しました。なので時間はたっぷりあります。僕の手が空いている時を見計らい、個別で話し合います。最初に書いたように花子さんには認知症はありません。<br />
<br />
繰返し伝える方法。飴と鞭での誘導。様々な言葉で伝えました。例え話も沢山しました。花子さんはマンツーマンで話しているときはとても素直です。返事も良いし・・・・・<br />
<br />
でも実際は聞き流しているのです。何となく分かったような素振りはしますが、根本は何も変わりません。やはり70年以上の歴史を生きてくると早々変わることも出来ないか・・・・虚しい個別の話し合いが数ヶ月・・・いえ、2年くらい続いたでしょうか。とにかく根気良く話し続けました。<br />
<br />
家族間は最悪です。この様子だと虐待も可能性が出てきます。家族がどこまで頑張るのか?僕らは虐待と言うケースにならないように家族ともしっかりコミュニケーションを取るようにしました。<br />
<br />
花子さんには別居している二人の子供がいます。ここまで来ると、同居の娘だけでは介護は難しいと判断し、その子供達に連絡を取りました。しかし・・・・<br />
<br />
別居の子供達はまるで関係ない事のように、全く関与してきません。。。どうして・・・・・同居の娘の話しもしっかり聞きません。つまり同居している娘家族は完全孤立状態です。<br />
<br />
せめて、せめて他の姉妹達にもう少し同居の娘の話しを聞くゆとりがあれば、それ以上家族が追い詰められるような事にはならなかったかも知れません。とにかく周囲の環境もあてに出来ない状態となってきました。<br />
<br />
花子さんとその家族。そしてろまん亭。<br />
<br />
この先の展開を考えると、ちょっと気持が重くなってしまいそうです・・・・<br />
<br />
続く
-
text/html
2013-03-22T00:00:00+09:00
突然の幕引き・・・4
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1088#block67-1088
1
半身麻痺の方は本当に重く感じます。<br />
<br />
介助者が「重い」と感じるわけですから、当の本人は相当重く感じ、しかも動きが厳しいと思います。<br />
<br />
しかしだからといって動かないわけには行きません。動かないなりに動いていただかないと。<br />
<br />
花子さんの最初のミスは・・・・<br />
<br />
ご家族が心配する余りに、過剰な援助をしてしまったことにありました。入院中から病室で寝泊りし、マメに面倒を見たそうです。しかし、これが在宅に戻ってから大きな障害となっていくのです。<br />
<br />
在宅に戻れば当然自分で出来ることは自分でするようになっていきます。しかし最初の時点で周囲に過剰にお世話をしてもらった記憶・印象が抜け切れず、花子さんは受身の精神状態になっていました。更に輪をかけて問題だったのが、<br />
<br />
「自分の親を子供が看るのが当たり前・・・」<br />
<br />
この気持が人一倍あったことです。その気持に最初の手厚い援助。こうなってしまうと、在宅に戻っても自分から動こうとしません。<br />
<br />
自宅での転倒から約3ヶ月が経ちました。いよいよ退院です。今回は流石に大丈夫。利用がスタートします。<br />
<br />
しかし退院当初から問題が発生しました。ほんの数ヶ月の間に、家族間の関係がかなり悪化しているのです。問題なのは、花子さんの受身の姿勢、そして人任せの割りに要求が多いこと。気に食わないと家族に罵声を浴びせる事。<br />
<br />
例えば・・・<br />
<br />
花子さんがトイレなどの移動時、家族にドアを開けて欲しい。開けないのは意地が悪いから。<br />
<br />
そんな風に考えていたようです。だから些細な事でも手を出さない家族に対して暴言が多く出てきました。家族だってストレスが溜まります。一々文句を言われ、暴言を浴びせられ、当然喧嘩になっていきます。<br />
<br />
花子さんには認知症の診断が出ていません。ですから思考的には問題ないのです。なので家族からの要望で、色々と順を追って話していく事になりました。家族の大切さ、家族のストレス、勿論花子さんの立場からの話しも聞いたしアドバイスもしました。<br />
<br />
今回のケースに関しては、もう少し花子さんが家族に寄り添っていければ、かなり良好な関係が築けそうなケースです。だから僕も必死になって時間を取って話し続けます。<br />
<br />
長いときは3時間位は話しました。それもほぼ毎日。<br />
<br />
話したときは良い返事、分かったような態度。しかし蓋を開ければ3日〜7日くらいで元に逆戻り。これでは何の進展もありません。家族のストレスは増える一方です。<br />
<br />
どうすれば良い方向に向かえるのか?<br />
<br />
スタッフ一同で話し合います。どうすれば家族の気持を分かってもらえるのか?<br />
<br />
ここで誤解が無いように・・・花子さんに一方的に押し付けている訳ではありません。家族だって歩み寄る努力は必要です。花子さんに話すと同時に家族にも花子さんの気持を伝える努力をしていきました。<br />
<br />
状況は一向に変わらないけど・・・・・負のスパイラルに嵌っている・・・・そんな気がしながらも、何とか改善出来る様にお手伝いは続くのでした。<br />
<br />
続く。
-
text/html
2013-03-21T00:00:00+09:00
突然の幕引き・・・3
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1087#block67-1087
1
花子さん。退院後初の利用日です。<br />
<br />
花子さんは脳出血の為重度の左半身麻痺です。<br />
<br />
それまで半身麻痺の利用者さんはいなかったので、少し緊張します。どのように援助すべきか、どんなリハビリをすれば良いのか。<br />
<br />
色々考えていても仕方ありません。お迎え当日、いざ!出陣!!<br />
<br />
ろまん亭から約15分の道のりです。到着します。玄関を開けて、元気に挨拶。<br />
<br />
「おはようございます!!」<br />
<br />
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。<br />
<br />
返事がありません。もう一度、「おはようございます!!ろまん亭です!!」<br />
<br />
出来るだけ響くように、挨拶します。<br />
<br />
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。<br />
<br />
返事がありません。<br />
<br />
花子さんのご家族は学生さんと娘が働きに出ているので、朝は花子さん一人の予定。しかしいくら待てども返事がありません。こんな時はどうするか?そのまま帰るわけには行かないので、思い切ってあがります。<br />
<br />
「失礼します!!」 誰かいるかどうかも分からず、とりあえず大きな声を出して居間へと向かいます。花子さんの自室は居間のすぐ横。何となく緊張感が出てきます。<br />
<br />
「もしかして、最悪の状況か・・・?」<br />
<br />
こんなケースは初めて。どうすれば良いのかも分からず、兎に角花子さんの部屋の扉をノックして、中を覗きます。するとそこには・・・・・!!!<br />
<br />
花子さんが寝ているではありませんか!!え〜!!デイの初日に寝ているの???驚きと安堵で一瞬脱力です。しかしそれも束の間。<br />
<br />
花子さん「済みません、足が痛くて・・・」<br />
僕 「どうしました?」<br />
<br />
花子さん「朝転んでしまって・・・・」<br />
僕 「・・・・・・。」<br />
<br />
緊急なケースです。先ほどの安堵感はどこ吹く風、これはもしかしたら大腿骨に何かあったかも知れない!!<br />
<br />
咄嗟に判断してまずはろまん亭に連絡、娘に連絡します。幸い初日と言うこともあり、娘にはすぐ連絡がついたのですが、娘はどうしたらいいか半分パニック状態。こうなると救急車でもいいのですが、花子さん自身辛うじて動けるので、送迎車で病院へ向かう事にしました。あまりに大袈裟になりすぎても、娘が困惑しそうなので・・・・<br />
<br />
なので、僕の車に乗せて受診する事にしました。痛みが出ないように担ぎます。しかし!!花子さん、重い!!麻痺がある方って本当に重いんです。<br />
<br />
あ〜、体に力が入らないと、こんなにも重いんだな〜。。。。。実感しました。<br />
<br />
既にTシャツは汗びっしょり。しかし根を上げるわけには行きません。何とか根性で車に乗せ病院へ。この間も娘は半パニック。。。付き添わざるを得ない感じです。ろまん亭に連絡し、ある程度きりの良いところまで付き添う旨伝えて受診です。<br />
<br />
レントゲンの結果、大腿部のヒビ。即入院です。<br />
<br />
退院して翌日、今度は大腿部のヒビによりまた入院。完治してろまん亭の利用が始まるのはこれから約3ヵ月後になってしまうのです。<br />
<br />
今思えば、初回から波乱のある方でした・・・・・・(^−^;<br />
<br />
続く・・・・
-
text/html
2013-03-18T00:00:00+09:00
突然の幕引き・・・2
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1086#block67-1086
1
花子さん(仮称)。<br />
<br />
初めてお会いしたのはまだ70代半ば頃でしょうか。脳出血2度目。左半身麻痺。重度との診断。リハビリをしても動く見込みは無いとの事。認知は無し。<br />
<br />
年齢的にはとても若い方です。同居家族は、娘とその子供達2人。上の子は22〜23歳、下の子はまだ高校生。<br />
<br />
何となく頼りない家族構成ではありますが、何故ろまん亭だったのか?<br />
<br />
実は娘さんは配達の仕事をしていて、ろまん亭には週に1度、届け物を持ってきてくれていたのです。<br />
<br />
そして花子さんが退院の目処が立ったという事で、まずはケアマネージャーを担当して欲しいとのことでした。流れからすると、恐らくデイサービスも使うことになると思います。<br />
<br />
思ったとおり、退院してその翌日にはデイサービスを使うことになるのですが・・・・<br />
<br />
まずは第一印象。協調性もあり、自分自身の麻痺の事で落ち込んでいる様子も無い。良く話すし、終始ニコニコしている。デイサービスには向いていそうです。人当たりも良いようです。<br />
<br />
麻痺の方が明るく前向きであれば、他の利用者さんの希望になれると思いました。勇気をもらえると思いました。だから花子さんが利用することに戸惑いも無く、スムーズに受け入れることが出来たのですが・・・・・<br />
<br />
色々な問題が起こることなんて、全く予想していませんでした。と言うより、問題が起こりそうな雰囲気を全く持っていなかったので、これから長くなるお付き合いで「家族とは何か?」「人の幸せとは?」・・・と言うことを考えさせられるとは・・・・いろんな問題を含んでいるので、ご覧の皆様にも当てはまることもあるかと思います。それらを如何にして解決してきたかを、ゆっくり書いていこうと思います。<br />
<br />
花子さん。<br />
<br />
兎に角人当たりは良いんです。人当たりは・・・・。<br />
<br />
続く
-
text/html
2013-03-15T00:00:00+09:00
突然の幕引き・・・1
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1085#block67-1085
1
長い。兎に角長いお付き合いでした。・・・いえ、長いというより、濃密なお付き合いでした。<br />
<br />
沢山問題はありました。家庭でも、ろまん亭でも。それがこんなに突然の幕引きなんて・・・・あるんですね。<br />
<br />
今回約1年ぶりに「ろまんな轍」を再開することにしました。この1年でも様々な別れ出会いがありました。その中で、余りにも突然利用が中止になった方。<br />
<br />
その方のお話しをポツポツして行きたいと思います。様々な問題がありました。家族も本人も苦しくストレスが積もってしまう、そんな状況の中、その方に関わる全ての人が頑張っていたと思います。苦しい中でも頑張って家族介護を続けた家庭のお話です。<br />
<br />
きっと長くなると思います。<br />
<br />
時々更新します。<br />
<br />
僕の記憶の中では恐らくいつまでも消えないものとなっています。話も前後するかも知れません。でも、書いておいたほうが良いのかも知れません。<br />
<br />
兎に角まずは始めないと・・・・・<br />
<br />
今回は前置きだけにしておきます。ご興味のある方は是非読み続けてみてください。<br />
<br />
よろしくお願いします!!
-
text/html
2012-03-09T00:00:00+09:00
コミュニケーションを大切に!
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1084#block67-1084
1
何度も書いていますが、ろまん亭ではコミュニケーションを大切にしています。<br />
<br />
つまり利用者さん同士のつながりを大切にしています。認知症がある方は一般の会話の中には入りにくいと考えられます。なぜならば、同じ話しを繰り返したり、人の話を聞かなかったり・・・入れない理由は様々。そんな方達を普通な感覚でコミュニケーションが取れるように配慮しなければいけません。<br />
<br />
この作業は一朝一夕では出来ません。まずろまん亭で働き始めてぶつかる壁です。1日2日なら問題ないのですが、それが毎日続きます。踏ん張りすぎてもダメなんです。ペースをしっかり保ち、自分の精神面も安定させながら接遇します。<br />
<br />
今僕の右腕と言うべきスタッフも入社して10年となります。今ではかなりのベテラン、他のどの事業所に行っても心のこもった援助が出来るはずです。入社間もない頃はなんとも頼りない部分がありましたが・・・(^−^;<br />
<br />
だれもが最初から心のこもった援助が出来るわけではありませんが、日々の中で自分なりに考えて動けば必ず心を込められるようになると思います。この自分なりに考える事こそが重要なんです。マニュアルでは図れない事が起きるのが介護の現場です。そしてそこに到達できるまでは頑張らねばなりません。<br />
<br />
マン・ツー・マンの対応は比較的楽です。しかし複数人いる中での対応は様々なチョイスが出てきます。最善の対応を即時選択して実践しなければいけません。<br />
<br />
利用者さん同士で<br />
<br />
「あの人は頭がおかしい」や「同じことしか言わない」<br />
<br />
なんて印象を植え付けたくないので、日ごろからスタッフのミーティングで情報共有するようにしています。<br />
<br />
これが現在のろまん亭に通じている最も大切にしていることなのです。<br />
<br />
利用者さん同士のトラブルの少なさは自慢できることだと胸を張って言えることです。<br />
<br />
こんな会社で頑張ってくれているスタッフ全員に感謝です(^−^)
-
text/html
2012-02-29T00:00:00+09:00
家族のキモチ。〜入所を決める事〜最終章
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1083#block67-1083
1
ジャックさんはジレンマを感じながらも頑張って介護を続けました。出口の見えない介護ほど精神的肉体的に負担は大きいものになります。<br />
<br />
そんな中、担当のケアマネージャーが勤務している会社で、新規に入所施設を立ち上げる話が出ました。しかしそれまでには約半年くらいかかります。でもいよいよジャックさんはベティさんを入所させる決意をします。<br />
<br />
入所の意志が決まった後、気が抜け始めてきたのでしょうか、介護の負担が今まで以上に辛く感じてしまいます。やっと先が見えて、ホッとして緊張感が緩んでしまったのだと思います。こうなると毎日の介護が厳しくなるので、緊急に約半年間入所できる所を探します。<br />
<br />
とりあえず見つかりました。<br />
<br />
半年間はそこに一時住まい、その後新しく出来た施設に入所です。<br />
<br />
半年後、無事に入所しました。<br />
<br />
ジャックさんはその後たびたび面会に行っているそうです。最期にお会いした時も、入所で良かったのか悪かったのか・・・自分の気持ちがまだ整理できていない様子でした。<br />
<br />
それも時間が解決してくれるはずです。今回の入所は良かったことです。あのまま在宅での介護を続けていたら、ベティさんの前にジャックさんが倒れてしまったかも知れません。<br />
<br />
全てが落ち着いて、自分の生活リズムを取り戻せた時に初めて<br />
<br />
「あの時入所を決めて良かった」・・と思えるのかもしれません。そしてそれまで以上にベティさんに優しくなれるのかも知れません。<br />
<br />
風の便りに聞きました。正月には施設から外泊で自宅で面倒を見ていると。<br />
<br />
そうなんです。入所させてしまっても家族の温かさは失われません。その家族の事を忘れない限り。在宅で面倒を見れなくても、他に優しくできる方法だってあるはずです。<br />
<br />
一人で頑張り過ぎない介護が必要かも知れません。<br />
<br />
おわり
-
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2012-02-20T00:00:00+09:00
家族のキモチ。〜入所を決める事〜その7
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1082#block67-1082
1
この頃になると当然担当ケアマネージャーも入所を念頭に入れたプランの提供をしていました。しかし、家族が頑張る!!と、頑なに主張しています。体も心もぼろぼろになりつつあるのに、まだ頑張ろうとしています。このままでは本当にベティさんではなくジャックさんが倒れてしまいそうです。<br />
<br />
ベティさんの入所については娘の反対も大きくありました。でも娘は別居です。現実がしっかり把握できていません。週に一度自宅に来るくらいですから、毎日の葛藤を知る由もありません。<br />
<br />
〜まだ大丈夫だし、入所なんてかわいそう・・・〜<br />
<br />
的な感覚を持っていました。悠長な事は言っていられません。介護は先の見えない戦いです。年齢が若ければ若いほど先は長く、大変な物です。<br />
<br />
当時のベティさんの状況は、全ての理解が難しくなっているので、入所になっても何とか大丈夫ではないかと思いました。あとは入所先のスタッフさんたちが上手くやってくれるはず。さすがにジャックさんにも入所できる所があれば、手続きだけでもしたほうが良い・・・と直談判です。<br />
<br />
勿論デイを利用してくださるのは嬉しい事ですが、それより何よりジャックさんの今後も心配です。<br />
<br />
何事かに興味を持てて、自宅と自宅外との区別が出来たり、少しでも物事を覚えていられれば在宅でも頑張る余地があります。しかし全てわからなくなってしまっている以上、これからの努力はかなりへビィなものです。いよいよジャックさんにも決断が必要な時期が来ています。<br />
<br />
あとはどのように自分に納得し、割り切れるか・・・<br />
<br />
今まで一緒に生活してきた妻です。すぐに割り切れません。子供も一緒に育ててきました。思い出だって一杯あります。どうして入所をすぐに決められるでしょうか。悩んで当たり前です。ベティさんも辛いでしょうが、実はジャックさんが一番辛いかも知れません。<br />
<br />
入所させてしまった事を一生忘れずにいなければならないのですから・・・<br />
<br />
現実は・・時間は待ってくれません。日々辛くなる介護。入所と在宅とのジレンマ。決断の時は迫っています・・・<br />
<br />
つづく
-
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2012-02-16T00:00:00+09:00
家族のキモチ。〜入所を決める事〜その6
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1081#block67-1081
1
ベティさんの認知がゆっくりでも進みながら2年が過ぎようとしていました。その頃になると、日常生活の行動は殆んどと言って良いほど出来なくなりました。<br />
<br />
ジャックさんでは朝の着替えもさせられません。ベティさんがかなり強い拒否をしてしまいます。これにも理由は有ります。いくらジャックさんが言い聞かせても、ベティさんは言う事を聞きません。むしろ逆切れして大声を出し暴言を浴びせます。当然ストレスが積み重なっているジャックさん、我慢できず大声を出して怒鳴ったり、時には手を上げてしまいます。その悪い部分の印象が強く残ってしまっているのです。<br />
<br />
認知症の方は一般的に悪い印象がよく残っているといわれます。楽しい事や嬉しい事より、不愉快な事や怖い事の方が強く印象に残るのです。ですからデイでは悪い印象が付かないようにいつもニコニコ笑顔で常に相手に同調しつつ、対応します。この作業はなかなか家族に出来る事では有りません。(なんといっても家族は24時間一緒にいるのですから)<br />
<br />
ジャックさんの介護も限界が近づいているように感じます。<br />
<br />
しかしジャックさんは「入所」と言うことに中々踏み切れません。何故でしょうか?<br />
<br />
色々な心境があったと思います。<br />
<br />
夫婦2人暮らし。寂しさもあるかも知れません。<br />
<br />
ベティさんもジャックさんも70代です。まだ入所には早いと思っているのかもしれません。<br />
<br />
娘達への体裁もあるかもしれません。<br />
<br />
世間からはまだ若いのに介護を放棄したと見られてしまうかも知れません。<br />
<br />
でも・・・でも・・・・でも・・・・・、限界なんです。心も体も限界が近づいています。<br />
<br />
デイの我々が見ていても、良く介護をしています。面倒を見ています。周囲の方々が何と言おうと、僕達はちゃんと見ていました。ジャックさん、頑張っていました。ジャックさんを攻める事は絶対に出来ません。本当に頑張っていました。<br />
<br />
だから・・・だから、入所の話もお勧めしました。ジャックさんの生活が崩壊してしまう前に手を打たなければなりません。<br />
<br />
だから・・・だから、担当のケアマネージャーにも連絡しました。<br />
<br />
つづく
-
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2012-02-15T00:00:00+09:00
家族のキモチ。〜入所を決める事〜その5
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1080#block67-1080
1
いつ徘徊するか分からない状況です。ですからジャックさんはベティさんが自宅に居るときは余り落ち着けません。そしてなれない家事もこなさなければ・・・負担はどんどん大きくなる一方です。<br />
<br />
ベティさんはと言うと・・・当然認知症が進行します。ろまん亭を利用されてからは比較的ゆっくりな進行だったと思います。しかしろまん亭利用開始から1年が過ぎた頃から変化が出て来ました。<br />
<br />
日常動作が分からなくなり始めたのです。例えば・・・歯磨きの仕方が分からない、箸の持ち方・使い方が分からない、立ったり座ったりの動作が分からない・・・日に日に理解できない事が増えていきます。こうなると家族は更に大変になってきます。着替え一つもスムーズに出来ません。<br />
<br />
家族に対してはベティさんも甘えが出るのでしょう、ジャックさんの言う事には一々反抗します。そうなるとジャックさんもイライラしてきます。声が大きくなってしまったり、手が出てしまったり・・・悪循環の始まりです。この魔のスパイラルを抜ける方法は正直言ってすぐに見つかりません。<br />
<br />
介護のサービスでも限界があります。在宅にいられるのは、ジャックさんの気持しだいとなってきます。<br />
<br />
ところで、デイサービスでのベティさんの状態は・・・やはり外に出ると自宅とは少し違います。こちらの誘導にも特に強い反発無く動いてくださいました。(もちろん段々と反発は出てくるのですが・・・)<br />
<br />
生活習慣などが分からなくなっても接する方法はあります。「何々しましょう」などと言っても理解できないのですから、本人はイラつきます。<br />
<br />
なので誘導したい時はまず雑談をします。ベストなのは笑わせること。楽しい気持にさせて、気持を話題に集中させます。<br />
<br />
例えば座ることが出来ない時。楽しく雑談をしながら、特に声をかけずにまずスタッフが座ります。そして声をかけずに手でイスを指して、無言で「どうぞ」と言う雰囲気を出して座ることを促します。そうすれば後は自然とイスに座ります。動作を忘れているのではなく、言葉が分からないだけなので、特に意識をさせずに習慣を利用すれば大抵の行動を誘導できます。<br />
<br />
でもこれを家族に求めるのは正直酷だと思います。だから在宅は難しく、厳しい物なのです。<br />
<br />
その厳しい介護の状況にジャックさんは追い込まれていってしまいます・・・<br />
<br />
つづく<br />
<br />
-
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2012-02-06T00:00:00+09:00
家族のキモチ。〜入所を決める事〜その4
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1079#block67-1079
1
ベティさん、利用開始当事はよく外出しました。徘徊がある方だったので、無理に行動制限せず、本人が外に出たそうなら付き添って気の向くまま、スタッフと一緒に歩きました。<br />
<br />
ある程度疲れが見えてきたら、「あそこに休憩所があるから休んでいきましょう!」なんてお伝えすると、スムーズにろまん亭に戻る事が出来ました。一日のうちに3〜4回くらい歩く事もあったのです(^−^)<br />
<br />
歌が大変上手でした。声が良く、沢山の歌を知っていたので、唱歌から歌謡曲など様々な歌を教えていただきました。本人も気持良さそうでしたし、とてもノリが良かったので、毎日歌三昧。<br />
<br />
でも排泄のコントロールが出来ません。ほぼ常時失禁状態。ろまん亭の利用当初もそんな感じでしたが、一時は失禁も抑えられていた時期もあったのです。本人の仕草でトイレのタイミングを見ていたので、利用開始してから半年くらいで失禁前にトイレに誘導できた物です。<br />
<br />
トイレの誘導も直接的な声掛けより、歌を歌いながら「何となく誘導」です。<br />
<br />
入浴は余りお好きではなかったので、拒否が強かったな〜(^−^;このときも歌を一緒に歌いながら「何となく」誘導して入っていただきました。<br />
<br />
利用もおおよそ順調です。スタッフの顔も覚えてくださったようです。<br />
<br />
ただ、問題なのはご自宅での事です。ベティさんの面倒は全てジャックさんが見なければなりません。炊事・洗濯・排泄・・・家事全般をジャックさんが担います。<br />
<br />
当のベティさんは認知が進んでいて、家の事とは出来ません。それどころか、隙あらば徘徊してしまいます。利用開始してからも数回の徘徊があり、そのうち2回ほどは一晩中かけての徘徊でした。<br />
<br />
つづく
-
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2012-02-01T00:00:00+09:00
家族のキモチ。〜入所を決めること〜その3
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1078#block67-1078
1
さて、ここであるご夫婦のケースをお話ししたいと思います。ここに出てくるご夫婦、ジャックさんとベティさん。(名称は当然仮称です)このご夫婦は奥さんが若年性の認知症、徘徊あり。ご主人が介護をしています。<br />
<br />
ある日紹介がありました。女性です。名前はベティさん。徘徊があり、ご主人が介護をしています。やや若いので、通常のデイサービスには馴染めず、拒否が出てしまっているそうです。なので小規模のろまん亭に白羽の矢が立ったわけです。<br />
<br />
何はともあれ、まずはお会いしないと。すぐに初回訪問。とても気さくな感じです。会話も意思疎通できている・・・・ような気がしましたが、やはり所々かみ合いません。でも大丈夫。これは普通なことですもん♪他者とも問題なく接することが出来そうです。徘徊があるので、利用時は注意が必要です。排泄のコントロールは出来ていません。日常動作もやや不安定。大まかにご本人の状態を把握して、利用開始です。<br />
<br />
デイサービスを利用するに当たってその建物の佇まいは結構重要です。一目見て「施設です!!」っという感じのところには抵抗がある方も多くいるのですが、ろまん亭は普通の民家です。入りはOK。<br />
<br />
ここからジャックさん、ベティさんご夫妻と約2年間のお付き合いが始まるのです。<br />
<br />
つづく<br />
<br />
-
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2012-01-23T00:00:00+09:00
家族のキモチ。〜入所を決める事〜その2
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1077#block67-1077
1
介護をしている家族が求めること。その一つは、介護の実態を知って欲しいということ。介護の辛さをわかって欲しいということ。<br />
<br />
特に認知症の方を介護されているご家族たちには、多くこのキモチをもっている方がいます。認知症の方は、外に出たり、お客さんが来たりするとある程度の緊張感からか、比較的落ち着いたり、会話の受け答えが上手に出来たりします。だから、その場でのやり取りで<br />
<br />
「なんだ、ぜんぜんまともじゃない!」<br />
<br />
と、第3者や別居している他の家族は感じてしまうケースが多く目に付きます。しかし、自宅に戻ったり他の家族が帰宅すると、それまでの緊張感から開放されて、その反動が大きなストレスとなり、普段以上に荒れてしまう方も多く見受けます。<br />
<br />
認知症の方は、第3者・別居家族と同居家族に対する態度には大きな隔たりがあることを認識しなければいけません。内と外のギャップを認識してあげなければいけません。そして介護している家族の話をしっかり聞いてあげなくてはいけません。目に見える部分だけが介護ではありませんから・・・<br />
<br />
それらの精神的ストレス及び肉体的なストレスにより体調を崩してしまうご家族もいます。すると自然と「入所」と言う言葉が浮かんできます。<br />
<br />
僕は入所を余りおススメしていませんが、そのようなご家族と対峙した時はむしろ入所をおススメすることもあります。余りの辛さに家族が崩壊してしまうのではないかと心配してしまうほどの事だってあるんです。<br />
<br />
あくまで僕個人の感想ですが、この先もご了承の上、ご覧ください!!<br />
<br />
つづく
-
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2012-01-17T00:00:00+09:00
家族のキモチ。〜入所を決める事〜その1
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1076#block67-1076
1
介護をしていると、遠からず「入所」と言う言葉が出てきます。<br />
<br />
在宅で生活する事が難しい、家族介護の限界、様々な理由がそこにはあります。<br />
<br />
当然ろまん亭利用者さんたちも入所されて利用中止になってしまった方が多くいます。その後どうなったのかは風の便りにしか聞き及びません。今でも元気でいてくれたら嬉しいのですが・・・<br />
<br />
・・・・・っと、ケースをご紹介する前に!今までそう言ったケースを目の当たりにした僕自身の感想をお話したいと思います。<br />
<br />
入所とはつまり在宅から施設への移住です。殆ど入所してしまうと在宅に帰ることなくすごします。利用者さんにとっては住み慣れた地域から離れての生活、当然ストレスは大きな物になります。個人的にはお勧めしたくありませんが、それぞれの家庭には事情があります。そこまでは介入できないので、毎回お話を聞くのみ。お力になれないのが不甲斐無い。<br />
<br />
入所に至るまでには家族の方たちの心の負担が大きいと思います。<br />
<br />
「親を施設に入れる」<br />
<br />
世間的には親の介護を放棄した・・・と見られてしまいます。介護の実態を知らない方たちは、<br />
<br />
「可愛そうに・・・」<br />
<br />
などと無責任な言葉を投げかけるかもしれません。でもこれは実態を知らないから言える事。悪気があって言っているのではないんですよね。でも実際介護をしている家族にとってはこの上なく傷つく言葉かも知れません。。。<br />
<br />
つづく
-
text/html
2011-10-25T00:00:00+09:00
どんなイメージで・・・
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1075#block67-1075
1
どんなイメージでデイサービスをするのか・・・これは今でもよく考えます。最終的にたどり着くのは「自分が歳をとった時に利用したいデイサービス」です。<br />
<br />
皆さんはどう思いますか?<br />
<br />
そう思うと選ぶデイサービスは必然的に絞られてきます。その絞られた中に「ろまん亭」が入れるようにならなければなりません。ではどうするか・・・やはり小規模と言うことを前面に出し、中規模・大規模との差別化を図ることです。我々には大きなバックが無いので、常に紹介かご家族が独自に探しあててくれないと、なかなか利用者数が伸びません。<br />
<br />
利用者さんが増えないことに落ち込むこともありません。常に前を向いて、その時利用者さんが何を欲しているのか、何をすれば喜ぶのかを常に考え続け提供し続ければ、自ずと道が開けてくるのだと思います。今までもそうでした。<br />
<br />
利用者さんたちはご高齢です。いつ何時体調不良になり、利用が中止になるやもしれません。入所になるかもしれません。不思議とそんな時期がまとまったりするので、その時は運営がすごく大変になってしまいます。その代わり、増える時も一気に増えたりするので、不思議だな〜なんて考えたりします。<br />
<br />
自分が利用したいデイをイメージして作り上げる。この作業をスタッフ達にも植え付けながら、今日まで進んできたような気がします。今でも試行錯誤、臨機応変。便利な言葉ですが、実際これを実行するには案外骨が折れます。<br />
<br />
挫けずこれからもスタッフ皆で頑張りたいと思います。良かったら一度見学に来てみてはいかがでしょうか?<br />
<br />
「こんなデイもあったんだ〜」と感じてもらえるかも知れません(^−^)
-
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2011-10-19T00:00:00+09:00
自然な対応を大切に♪
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1074#block67-1074
1
デイサービスも規模が大きくなればそれだけマニュアルで動かないと難しくなります。認知症の利用者さんが居れば尚更まとめてグループ対応が望ましいかも知れません。<br />
<br />
利用者さんにも色々な個性があります。性格があります。その方達にどのように接すれば一番負担・ストレスがかからないのか。やはり自然な対応かもしれません。その日の状態やそのときの感情を上手く汲み取って、解消したり満たしたりしていると、不思議と利用者さんの状態も安定してきます。<br />
<br />
当然個別に対応するには利用者さんの人数が少ないほどし易くなってきます。僕自身一日10名の定員だったら、ほぼ全員の状態を把握できます。そして出来る限り自然な対応が出来ると思います。自然な対応とはろまん亭の時間に縛られない・・・つまり食事の時間だから、と嫌がっているのに無理やり食べさせるとか、入浴の順番なのに気乗りしないので拒否があるのに無理やり入れるとか・・・時間が決まっているから仕方ない、と言う発想は持たないようにしています。勿論最終的には拒否があってもやらなければならない事はします。でもギリギリまでは利用者さんのタイミングを計るようにしています。<br />
<br />
焦って介助側の都合で動く事を極力抑えるようにしています。とても大変な事ですし、毎回必ず出来ているともいえません。でも、スタッフ皆で色々案を出し合って、利用者さんにあったタイミングを、自然な流れを提供出来る様に努力しています。今までもこれからもこのスタイルを通していけるように、利用者さんの流れや感情を大切にデイサービスを提供したいと考えています!!
-
text/html
2011-10-11T00:00:00+09:00
周囲の理解とは・・・
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1073#block67-1073
1
認知症の方やそのご家族はとても苦労されている事が多くあります。<br />
そのうちの一つに周囲の理解力も含まれます。<br />
<br />
認知症は介護保険が始まる前に比べれば段違いで理解されているとは思いますが、実際はまだまだ足りないような気がします。介護は身近に起きなければ本当の意味で理解したり、介護に興味を持ったりしません。だから無理に理解して欲しいとも思いません。もちろん特に認知症について知識をつけて欲しいと願いますが、実際問題、自分自身が問題に直面しない限りはなかなか勉強しようなんて思わないはずです。<br />
<br />
そういう僕もこの仕事に従事していなければ、介護は「いつの日か・・・」の話で、興味を示さなかったかもしれません。<br />
<br />
しかし、今は介護に携わって11年。色々物の見方も変わってきます。そして介護の実態も身に沁みてきます。僕ら一人ひとりはとても小さな存在で、何も出来ません。認知で徘徊があったりする方を四六時中見守る事も出来ません。だから周囲の方々の理解が必要なんです。ちょっとした理解でも良いんです。おかしな行動をしている人に怒らず話を聞いて諭してあげられれば良いんです。だって、怒ってもしょうがない事なんだし、病気がさせていることなんだから、当の本人に怒っても駄目なんです。<br />
<br />
・・・と熱を込めて話しても、現実は甘くありません。やはりおかしな行動をしていれば、注意されたり怒られたり、冷たい視線で見られたり・・・<br />
<br />
介護や認知症の勉強会なんて言うと仰々しくなってしまうから、もっと楽な・・自然な感じで学べると良いのにな〜と今日カンファレンスに出席して痛感しました(^−^)
-
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2011-10-04T00:00:00+09:00
まるで忍者?!
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1072#block67-1072
1
徘徊のある利用者さんで、こんなケースもありました。<br />
<br />
ある日の午後、居間にスタッフ・利用者さんで10人前後いました。時々フラッと徘徊をする方もいます。でもたいていの場合、「さて、行くかな」などと声を出してから動くのですが・・・この日は違いました。<br />
<br />
利用者さん同士スタッフも一緒になって楽しく会話をしています。僕はそろそろ帰りの時間が近づいているので、皆さんのノートを書き始めました。<br />
<br />
このとき!!気配も無く一人いません。「あれ??」何故居ない??何故誰も気づいていないの???僕もたいていの時は気配を感じるのですが、このときは全く感じませんでした。<br />
<br />
さぁ大変です!!すぐに廊下に出てみると・・・・なんと音も立てずにそ〜っと扉が閉まろうとしています。<br />
なんて事でしょう。誰にも気づかれず、音も立てずに出て行こうとしているではありませんか!!いやはやここまで来ると忍者のような、泥棒のような・・・すごいです。本当に驚きました。外に出たい一心で、ここまで出来るとは。この時徘徊を止める事のストレスの大きさも実感しました。誰にも気づかれないようにしてでも出ようとする気持、無下には出来ませんよね。<br />
<br />
こんな様子では家族も気づかないうちに徘徊してしまう訳です。徘徊する方のすごさを実感しました。<br />
<br />
その後幾度と無くそ〜っと外出しようとしていましたが、流石に我々も目を離さずに居たので一人外出はありませんでした。その代わり、そんな時はスタッフも一緒になって沢山歩かせていただきました。満足してくれた事と思います。いつも歌いながら近所を散歩していました(^−^)
-
text/html
2011-09-30T00:00:00+09:00
徘徊シリーズ・第2弾
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1071#block67-1071
1
今回の徘徊の事例は、誘導できる徘徊です。誘導できると言っても徘徊をとめる事は出来ません。何故ならそれは本人にとってストレスになるからです。<br />
<br />
しかし一旦外に出てしまうと、「あそこの角を右に曲がりましょう」とか「このまままっすぐで良いみたいですよ」なんていう誘導に従ってくれます。この場合はとても楽です。転倒や車・自転車には十分気をつけて、後は少し疲れるまで安全な道を誘導していけば良いのです。<br />
<br />
そして疲れが見え始めた頃に「あそこの角に知り合いの家があるから休みましょう」とか「休憩所があるからそこまで頑張りましょう」なんて言いながらろまん亭に案内します。すると素直にまた入ってくれます。こんな事が一日に2〜3度ほど有りますが、その都度お付き合いします。歩く時間はそのときの利用者さんの体調や様子を見て、付き添うスタッフの判断に任せます。<br />
<br />
こんな事がおおよそ2〜3ヶ月続くと、少しずつ外に出ることが少なくなり最期は外に出なくても落ち着いてしまいます。残念な事に在宅では最期まで自宅を脱出しようとしていたようですが、ろまん亭ではとても落ち着いて楽しく過ごしてくださいました。<br />
<br />
誘導できる徘徊は、本人の状況に合わせて歩く事ができるので、付き添うスタッフの負担はかなり軽減できます。徘徊する本人たちにも不明瞭ですが目的意識はあります。しかし沢山歩いているうちに曖昧になり、最期はこちらの誘導どおりに進むので、やはり外に出さないように気持を抑えるよりむしろ思い切り歩いてもらった方が良い結果になる事が多い気がします(^ヘ^)
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2011-09-29T00:00:00+09:00
徘徊にお付き合い♪
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1070#block67-1070
1
徘徊する方は意外と多く利用されています。ろまん亭でも多くの徘徊する方を受け入れてきました。<br />
<br />
多くの場合、本人の気が済むまで一緒に歩き続けます。最長記録は2時間です。結構歩けるんですね〜、利用者さん。<br />
徘徊時に誘導が効かない場合、気が済むまで歩いてもらう事にしています。本人の自由です。そばに寄ると怒るときもあるので、3歩下がって付いて行きます。本人の気が済むまで、疲れるまで歩いてもらうと、当然動きが止まりまじめます。そうなったらろまん亭に連絡して場所を伝えて迎えに来てもらいます。現場では当の本人には偶然道で会ったような素振りで近寄ってお話をします。車が到着したら、あくまで通りすがった知り合い。・・・の体で話を進めて、「乗せてもらいましょう」なんて言えばほぼ間違いなく乗ってくださいます。<br />
<br />
周囲の方から見ると年配の方の3歩後ろを歩く変な男・・・と映るでしょうか?でもかまいません。徘徊や行動などの制限は本人にとってストレスに他なりません。ストレスを出来るだけ回避し、受け入れてもらい、そして初めて誘導出来る様になってきます。徘徊して疲れきったところに救いの人が現れて、車で送ってくれる・・・「助かった〜、ありがたい」と思ったときに毎回同じ顔があれば、流石に信用してもらえます。名前は覚えていただかなくても良いんです。この顔さえ覚えていただければ・・・<br />
<br />
マンツーマン対応になるのでこの方法はろまん亭ならではの方法と思っています。いままでこの方法で何人もの利用者さんを受け入れてきました。そして意外にも少しずつ落ち着いて最期は外に出なくても落ち着いてデイが利用出来るようになって来ました。時間も人手も掛かりますが、徘徊のお付き合いは有効な方法だと思っています(^−^)<br />
<br />
<br />
-
text/html
2011-09-24T00:00:00+09:00
超ハイスピードな繰返し
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1069#block67-1069
1
一つの会話が終わったとたん、その会話の頭から話が始まるケースです。会話内容が短ければ短いほど結構ハードなんです。そして周囲の目もごまかしにくい・・・<br />
<br />
こんな方にはどうするか。まずは普通に会話です。段々会話が一つに囚われ始めます。そうしたら2〜3回は話を聞きます。少し返答に変化を加えて、方向を変えられるか試しながらすすめます。それで駄目なら、今度は相手より先にその話し・答えを出してみます。すると「よく知ってるね〜」などと、必ずと言っていいほど一旦止まります。<br />
<br />
歌もそうです。ある利用者さんはとても歌がお好きでした。そして一度歌わせると同じ歌を何べんも繰り返します。そのまま続けると、他の利用者さんも「なにかおかしい・・・」と思い始めてしまいます。さて、そんな時は相手が歌い出す前にこちらがやや大きめな声でその歌を歌います。そして終わったら間髪入れずに次の、別の曲を歌い始めます。するとその別の歌に引きずられて歌い始めます。これを繰り返せば延々と続くと思われた歌も色々な歌に変えられます。<br />
<br />
繰り返すペースが速いからと無理に、強引に話題チェンジしても上手く行かない時もあります。そんな時は手を変え品を変えて無理なく目先を変えられる方法をみんなで考えます。<br />
<br />
こうしてろまん亭では認知症の方も他の方も余り違和感なく一緒に過ごしているのです!!
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text/html
2011-09-22T00:00:00+09:00
鏡の中の自分は誰??
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1068#block67-1068
1
認知症の方の中には鏡の中の自分に話しかける方もいます。そのパターンも様々で、今まで見てきた方たちは鏡の自分に対し、怒る場合・優しく話す場合・身内に話しているような場合とありました。<br />
<br />
流石に鏡の自分に話しかけている方の感覚はなかなか計り知れないものです。ただ、どうしようもなく誘導が出来ずに、周囲の方々にも影響が出易くなりそうな時は仕方なしに静養室に一緒に行きます。そこでマンツーマンとなり、気分を変えるよう試みますが駄目な時だってあります。静養室には姿見用の大きな鏡があるので、当然映ります。それに気づくとあら不思議、一気に気分が変わります。<br />
<br />
鏡の中の自分に話しかけ、一応鏡の中の自分に話しかけられているような感覚になっています。僕らは様子を見ながら、ひと段落した頃に話しかけ誘導すると、案外スムーズに行く事も少なくありません。<br />
<br />
鏡の自分に話しかけていることを非難しても仕方ないし、むしろ本人が穏やかに話しているのなら、少しの間見守ってあげるようにしています。<br />
<br />
ただし、鏡の中の自分に怒っている場合。この時は速やかに鏡の前から立ち去るようにします。怒る=ストレスとなるケースは多く、出来るだけ精神的な負担を避ける為です。穏やかに楽しく鏡の中の自分に話しかけているのなら、むしろストレス発散になることもあると思います。<br />
<br />
鏡に話しかけることは、僕らにしたら変な光景、家族がしていたら即座に止めさせることだと思います。しかし状況によっては、そっと見守る事が良いことも有るんです。
-
text/html
2011-09-18T00:00:00+09:00
生活動作が分からない!!
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1067#block67-1067
1
認知症の方で生活動作が分からなくなってしまうケースは多くあります。この場合いくら口で説明しても、本人は理解できないので出来なくて当たり前なんです。それでも家族は「出来て当然の事」として口で説明しようとしてしまいます。「こんな簡単な事が分からないなんて・・・」と思う家族。「何を言っているのかわからないんだよ!」と思う本人。このすれ違いが後に大きな溝、大きなストレスを生んできます。<br />
<br />
ろまん亭にもこの「生活動作」が出来ない・・・いや、説明しても分からないと言う利用者さんがいました。現在は家族に限界が来てしまい入所となってしまいましたが、とにかく大変な方でした。家族はもっと大変だったと思います。<br />
<br />
さて、そんな方でも有効な誘導がありました。それは言葉で説明するのではなく、今までの習慣を利用するものです。例えば「立ち上がり」。「立つ」の意味が分からないので、いくら言っても立ち上がりません。むしろ逆に意固地になって立ちません。その場合隣に座って雑談をします。勿論会話も内容は他愛ないものにします。そして絶対笑わせます。この「笑う」事で気分が良くなります。気分が良くなった頃合をみて、「じゃぁ・・・」と言ってスッと自分が立ち上がります。そして「ねっ!」と雰囲気で立ち上がることを示唆します。するとあら不思議、流れと言うか雰囲気で立ち上がります。基本はこれでOKです。<br />
<br />
この誘導を我々は「何となく誘導」と言っています。この「何となく」が重要で、当事者を何となくそんな気にさせればこちらのものです。何となくその気にさせるのには勿論それまでに信頼関係をしっかり構築しておかなければなりません。そのためにくだらない話し、周囲の方が聴いてい居れば「くだらないな〜」とあざ笑うかもしれません。下手に出たり下卑ることだってあります。それでも信頼を得るためには必要なことなんです。笑わせる・楽しい気持ちにさせればしめたものです。<br />
<br />
「何となく誘導」はその方の生活動作を無意識に引き出す方法です。言葉では理解できなくても体が覚えています。その体が覚えていることを無意識に引き出せば誘導は可能です。<br />
<br />
この方法を家族がするのは大変かもしれません。専門家の介護スタッフに任せて、少し介護から離れて気分転換をし、少しでもお互いに良い関係を保って在宅生活を送っていただけると嬉しく思います!!
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2011-09-17T00:00:00+09:00
認知症とは・・・
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1066#block67-1066
1
一口に認知症と言っても様々なパターンがあります。まずは分かりやすく説明します。<br />
<br />
老人性痴呆症とアルツハイマー症。この二つが大きな枠になっています。前者の老人性は単に物忘れ、歳なりのものでアルツハイマーは生活動作や人格などの変化が特徴的です。この場合特に大変なのはやはりアルツハイマー症と言えます。怒りっぽくなったり、生活動作が分からないのでイラつきも多くなります。<br />
<br />
ろまん亭にも老人性・アルツハイマーと言ったそれぞれの認知症の方が利用されています。両方とも共通なのはストレスを与えないようにすることです。簡単なようで実はとても難しい事と思います。家族となると認知症を受け入れることも難しいのですが、その後の対応が最も難しいと思います。<br />
<br />
認知症本人のストレスもですが家族のストレスも大きいものです。<br />
<br />
割と重度になってから介護保険を利用される場合が多く、もっと早い時期から利用していれば・・・なんて思うことも少なくありません。ですから現在認知症の疑いがある方や認知症と診断されている方は早い時期からケアマネージャーに相談することをおススメします。相談は無料です。サービス利用しなくても良いんです。家族で抱え込まずに出来るだけ早く第3者、専門家のケアマネージャーに相談するのが良いと思います。<br />
<br />
介護は「いつまで」と明確な期間がわかりません。なので早いうちに、ストレスが溜まり始める前に手を打つことが長く介護をする上で重要な事なんです。現在は世間一般も以前より理解度も大きくなっています。恥ずかしい事ではありません。誰もが突然なりうる病気なんです。皆で協力して、助け合って介護に取り組んで行きましょう!!
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2011-09-15T00:00:00+09:00
認知症の世界
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1065#block67-1065
1
不思議な世界です。よく十人十色なんていいますが、認知症の世界では十人十一色、いや十二色なんてざらです。その認知症の世界に入っていかなければ、良い介助は出来ないかも知れません。<br />
<br />
今自分たちがいる世界観を持っていてはそれは中々出来ません。独特の世界観の中、自分を持ちすぎては理解が出来なくなってしまいます。相手の世界に踏み込んでそれを自分なりに理解して接すると意外とスムーズな誘導が出来たりします。<br />
<br />
「それは無理だよ〜」なんて思う前に、相手の世界を覗く努力をします。出来るだけ同じ・・・近い感覚を持つようにしてみます。事実と違っていても、それが正しいと思い話を進めます。すると相手も「この人は話が分かる・通じる人だ」と認識する(感覚で理解してくれる)場合が多いです。<br />
<br />
つい仕事の時間の都合や流れの都合で、事業所ペースの接遇をしてしまいがちです。本当にそれで良いのか、いつも感じながら取り組んでいます。出来るだけゆとりを持って利用者さんに接する、利用者さんのペースで進めるようにできるといいですね〜。<br />
<br />
認知症の世界の事例を少しずつここでお話をしてみたいと思います。<br />
<br />
気まぐれながら、興味ある方は時々覗いてみてください!!
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2011-09-03T00:00:00+09:00
急変の対応
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1064#block67-1064
1
何年もデイをしていると必ず利用者さんの急変に出くわします。急変時に最も必要なのはパニックにならないこと、他の利用者さんに動揺をさせないこと、迅速に救急車を手配し正確に状況を伝える事。<br />
<br />
ろまん亭でも数回急変対応がありました。いずれも軽度の物だったので大事に至らず、ほっとしていますが、またいつ急変するかはわかりません。心の準備はしておかないといけませんね。<br />
<br />
たいてい僕は一日中デイにでています。だから今までの急変には常にいることが出来たので、対応の指示については全てやってきました。<br />
<br />
まずは当該利用者さんを横にし安定させる、その間に看護師を呼び声掛け意識の確認バイタル。その間一人には必要そうな物を準備させます。濡れタオルや戻したとき用の桶。もう一人は他の利用者さんの対応。そして自分はまず救急車。救急車が到着する前に利用者さんの基本情報などを準備し、家族に電話。救急隊が到着したら一緒に病院まで同行します。<br />
<br />
利用者さんに声をかけながら病院へ向かいます。到着後は担当医師にも状況説明。出来るだけ詳しく、自分は孫になった気分で話すようにしています。そして家族の到着を待ちます。家族が到着して落ち着いたらろまん亭にもどる。こんな感じで進めています。<br />
<br />
けれど、嬉しい事ではあるのですが、たいていの利用者さんは救急車で病院に到着する頃意識も戻りバイタルも安定、何事も無かったかのような雰囲気になってしまいます。・・・・っで、どうしたんですか?なんて表情で医師に見られた日には冷や汗ものです。なんにしても無事で何よりですが(^−^;<br />
<br />
一度だけ一週間に3回の急変があったことがあります。流石に救急隊の方も「またですか〜」なんて顔。3回とも別の利用者さんだったのが唯一の救いでしょうか。お陰でうちのスタッフは急変対応はかなり迅速になりました。<br />
<br />
めでたし!めでたし!!<br />
<br />
*あくまで急変ではありましたが、命に別状は無く無事だったので書かせていただきました。不謹慎な表現が有りましたらご容赦ください。
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2011-09-02T00:00:00+09:00
落とし穴
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1063#block67-1063
1
利用者さんと密接に関わっていると、落とし穴が時々出てきます。密接に関わっているが故の落とし穴だと僕は思います。<br />
<br />
それは接している利用者さんに「良くなって欲しい」や「もう少し常識的に」と思い始めてしまうこと。勿論良くなって欲しいし常識的になって欲しい。けどそれをしつこく言い続けると、当事者のみではなく周囲の方達からの見方が変わってしまいます。当のスタッフは勿論親切でやっているつもりですが。<br />
<br />
何度言っても伝わらないと、段々強く、しつこくなってしまうのが人間の心理だと思います。伝わっていないことが増えてくると少しずつ押し付けに近くなってきます。こうなってしまうと自分自身ではどうにも制御できなくなってしまうケースが殆ど。<br />
<br />
勿論僕自身にも当初そんな経験があるので、押し付けや自己満足になってしまうことを否定はしません。でも気づくべきです。もし気づけないなら、気づかせてあげるべきことです。落とし穴に落ちてもまた上ってきて、その後気をつければ良いのですから。僕自身それを繰り返して今があるのだと思います。<br />
<br />
ろまん亭のスタッフはそんな危険性と向き合いつつ頑張って接しています。利用者さんと密接になればなるほど家族的な心境に陥りがちです。それだけ一生懸命なんだと思います。もしあるスタッフが落とし穴に近づいたり落ちたりしたらそれを注意し引き上げるのが僕の役目なんでしょうね。<br />
<br />
親切がいつの間にか押し付けや自己満足になってしまう、ちょっと怖い一面もあるこの業界です。でもそんな中今日も利用者さんだけでなく、スタッフの言動行動も出来るだけチェックしながら楽しく過ごしています!!
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2011-08-25T00:00:00+09:00
物の伝え方、物は言いよう
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1062#block67-1062
1
利用者さんを誘導するには納得してもらわなければなりません。このときの誘導の言葉が意外と重要なんです。<br />
<br />
「・・・・しましょう」「・・・・してください」では動かない事も多い。何故なら本人にその意志がない時は断定的、強制的な言葉は駄目なケースが殆ど。<br />
<br />
そこで我々が誘導する時に使う方法を紹介します。<br />
<br />
とにかく本人をその気にさせればよいのですから、「へぇ〜そうなんだ」と思わせる事が出来れば成功への第一歩です。そのときには「実は今・・・・・が流行っているそうです(ようです)」「・・・・すると良い、っとテレビで言っていました」 などと噂に聞いて良さそうだから、やってみる?と言う形で質問します。「それなら一度はやってみよう」なんて思わせたらOKです。<br />
<br />
この会話だと、第3者が言っている事なのでこちらが強引に誘導している形になりません。もし拒否があれば「怪しいから・・・・しない方がいいよね〜」と第3者のせいにして、常に貴方の味方です的な形が取れます。そうすると、「あ〜、この人は話がわかる」なんて事にもなります。そこで信頼関係が築ければ誘導もしやすくなってきます。<br />
<br />
我々が強く誘導して「この人はうるさい」「面倒な事をさせる人」と思われると誘導が難しくなります。逆に「・・・・がこう言っているから試してみよう」と、貴方の為に良さそうだから。を強調すれば、「あの人は良い人だ」と思われやすくなります。つまりは誘導しやすくなるわけです。<br />
<br />
物は言いようですね。何にしても誘導はまず信頼関係あっての事です。試行錯誤して色々試してみては如何でしょうか。
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2011-08-08T00:00:00+09:00
身内の中でのギャップ
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1061#block67-1061
1
認知症の方を介護している家族の中には少なからずギャップが存在します。同居して介護している家族と別居中の家族。<br />
<br />
認知症の方の場合、同居家族には甘えが出やすく認知の自然なままの姿がでます。しかし別居している家族に対しては何故か緊張感がでます。なのでしっかりした対応をしたり、会話の反応も認知になる前と変わりなく出来ちゃったりします。そうすると普段毎日面倒を見ていない家族にすれば、「別に変わりはないじゃないか」なんて思います。そういわれると主介護者たる同居家族は大変悲しかったり、悔しかったり・・・と大きなストレスになってしまいます。<br />
<br />
こんなケースは沢山あります。本当は一番理解して欲しい家族に理解されず、むしろ「大丈夫じゃない!」なんて言われちゃったら、がっくりです。<br />
<br />
そんな家族のお話を聞くくらいしか出来ず、いつもこの話が出る時は「我々はよく理解します」としか言えず、歯がゆい思い出一杯です。もう少し別居の家族が理解あると随分主介護者が楽なのに・・・こんな時は「理解が出来ていない家族が一度長期で面倒を見てみればいいんじゃないか」と思います。(実際は不可能ですが)僕らは今目の前にある問題を少しでも緩和できるように主介護者の家族に働きかけるだけです。本当に弱小で悲しい・・・<br />
<br />
完全にストレスを取り除いてあげることは出来ませんが、何か協力できることがあれば、是非相談して欲しいと切に願います。皆で楽しい老後を過ごして欲しいし、介護する側も楽しく過ごせるような世になることを祈ります。。。
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2011-07-15T00:00:00+09:00
短期記憶の改善
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1060#block67-1060
1
家族の方から物忘れがひどい・・・なんて情報を頂いて利用を開始する方は意外と多いものです。もちろん最初の頃は若干記憶が曖昧です。しかしデイを利用しているうちに、変化が出てきます。何度も書いていると思いますが、ろまん亭は会話を多くしています、コミュニケーションを大切にしています。だから利用開始日から3〜5回くらいは完全マンツーマン対応です。そして情報を聞き出します。その利用者さんはかなりお話することになりますね。<br />
<br />
そんな感じでスタートしてからしばらく経つと、意外と記憶がしっかりしてきたりします。最初は偶然・たまたま・・なんてスタッフ同士でミーティングで話したりしますが、さらに続けると偶然やたまたまではないと確信します。<br />
<br />
「えっ?それも覚えているの??」なんてことも増えてきます。だから次第にいい加減なことが言えなくなり、冗談ばかりでなくきちんとした話しが必要になってきます。<br />
<br />
嬉しいことです。そんなことを感じると、やってて良かったな〜、と思います。何かの本や医学的な根拠も何もありません。・・・が、今までの経験上沢山会話をすることで短期記憶が改善するケースを何度も目の当たりにしてきました。人と人が接することで、色んな部分が改善・向上するのだと信じてこれからも利用者さんと接していきたいと思います!!
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2011-07-13T00:00:00+09:00
クーラーと扇風機の風を嫌う??
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1059#block67-1059
1
暑い夏になるとクーラーと扇風機の風を嫌う利用者さんを思い出します。<br />
<br />
その方はいくら暑くても半纏がが手放せず、脱いでも厚手のシャツばかり着ていました。何故クーラーと扇風機を嫌うのか?答えは簡単です。<br />
<br />
もともと明治生まれのその方は「冷える」事に敏感でした。風邪は万病の元。だから冷えないように半纏を手放しません。当然暑い夏、厚手のシャツに半纏、汗かきますよね〜。汗をかいたところに扇風機の風、クーラーの冷え。寒く感じます。だから着込みます。うお〜、悪循環のスタートです。<br />
<br />
いくら説明しても実際寒く感じているので説得できません!!なので最後は仕方なしにクーラーも扇風機も影響しない場所を選びに選んで提供しました。<br />
<br />
でも現在も意外とクーラーや扇風機の風を嫌う利用者さんは多く、夏のすごし方にはちょっと悩んでしまいます。冷たく、寒く感じない方法で部屋を快適に・・・むずかしい〜!!<br />
<br />
この夏はカキ氷や濡れタオル、アイスノンなどで工夫しつつ乗り越えよう!!
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2011-07-11T00:00:00+09:00
本人と介護者の気持ち
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1058#block67-1058
1
いつも利用者さんのために・・・と言い続けていますが、時には間違えそうな時もあります。<br />
<br />
それは・・・我々介助者が「きっと楽しいだろ〜な〜」と思って接してみても受け手の利用者さんが全く乗り気ではないこと。つまり相手のことを考えているつもりが、介助者の気持ちが先行したイベントやら体操、外出になってしまうことです。<br />
<br />
きっと楽しいだろう、なんて言うのは我々本意の気持ちで、利用者さんとしたら「行きたく無い」とか「面倒だ」などと考えている方も案外多かったりします。特にここ1〜2年はその傾向が強く、外出しても楽しんでいただけていないケースが多くなっています。もっと以前なら、何を置いても外出が楽しく、皆ほいほい出かけたものですが。<br />
<br />
勿論現在もニーズにあっていれば皆さん楽しみにしているのです・・・そこの兼ね合いが大変難しく感じます。<br />
<br />
外出って良い気分転換になるんですが、高齢者だと動くのがだんだん面倒になってしまいます。そこを強く押してまで出る必要・価値があるのか??<br />
<br />
現在の僕にはちょっと正しい答えが出せない状況です。だから今後は皆さんにアンケートをとりながら、出かける人、のこる人と分けてみようかとも考えています。本当は皆で共有したいのですが・・・出来るだけ利用者さんの気持ちを上げて、少しでも皆で出かけられるようにトライはしてみようと思っています!!
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2011-07-08T00:00:00+09:00
何事も勉強
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1057#block67-1057
1
介護をしている中では利用者さんの体験や記憶など色々話題が出てきます。その一つ一つにこたえらるようにしたいと常々思っています。そのためには利用者さんの言葉、時代、流行など何でもいいから勉強しなければなりません。<br />
<br />
そこで学んだことを利用者さんに投げかけてみると、良いリアクションが返って来ます。特に歌はてき面です。「よく知ってるね〜」なんて言いながら一緒に歌ってくれたりします。<br />
<br />
でも知らない時代を学ぶことは難しく、本だけでは足りず、色々な分野や事柄にアンテナを張っていなければなりません。そんな中10年経った今、周囲の方々に「よく知ってるね」「本当は年齢を誤魔化しているんじゃない?!」などと言われるくらい大正から昭和初期、戦中戦後の時代の事を学ぶことが出来ました。<br />
<br />
これも利用者さん一人一人に楽しんでいただきたいと思った結果です。会話で繋げるようになれば利用にもつながっていきます。そして自分の人間性も豊かになっていく。全てがつながり、無駄な事柄は無いと実感する今日この頃です(^^)
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2011-07-06T00:00:00+09:00
男性利用者の難しさ
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1056#block67-1056
1
開設当初、女性の利用者さんが殆どでした。歌や手芸など趣味を持っていてしかもお話し好き。ある意味接触が楽な感じがしていました。しかし当然ながら男性利用者さんもやってきます。<br />
<br />
男性利用者さんはなかなか厄介でした。趣味が殆ど無く、お話も余り乗らず・・・じゃぁどうやって接客すれば良いのか??暗中模索の日々です。<br />
<br />
まずはとにかく新聞です。新聞記事を読み漁り、面白そうな話題を投げかけます。もちろんリアクションは期待できません。ならば・・・と今度はその記事を若干オリジナルを加えて面白おかしく説明してみます。するとただ読み聞かせているより反応が良いではありませんか!そんな感じだったのでそれ以降新聞を読み砕いて、面白く語ってみます。どんどんリアクションが良くなります。そしてその方のツボが見えてきます。ツボさえ抑えれば後は如何にして広げていけるかです。ここまでくれば、あとはお得意、少しずつですが男性利用者さんに対するプチ恐怖心も薄れてきます。歌とか歌わない方まで歌うようにしてしまいました!皆楽しいことが好き・・・万国老若男女共通ですね(^^)<br />
<br />
しかし今でもやはり男性利用者さんのほうが難しいことが多いです。ある種永遠のテーマかもしれません。<br />
<br />
ですから男性の皆さん、今からでも遅くありません、沢山趣味を持ちましょう!!芸は身を助ける・・・まさに老後の糧になってくれるはずですから(^^)
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2011-07-04T00:00:00+09:00
瞬間の大切さ
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1055#block67-1055
1
認知症の方達と一緒になって感じることがあります。<br />
<br />
直ぐ忘れてしまうんです。どこにいってもその時とっても良い顔をしていても。極端に言うと帰りの車の中で既に忘れてしまうんです。<br />
<br />
まだ介護に慣れていない頃、さびしく思いました。「せめて一日くらい覚えていて欲しい・・・」<br />
<br />
年月が過ぎていくにつれて考えも変わってきました。実際覚えていて欲しいと思うのは介助者側の気持ちなんです。利用者さんの立場で考えると、その瞬間が素敵な時間なら、それが全て・・・全てOKなんです。こちらの気持ちを押し付けるような考えはいけないと考えが変化してきました。もう7〜8年前になりますが。<br />
<br />
そう思えたのはIさんという利用者さんです。短期記憶がかなり悪く、すぐ忘れてしまいます。でも良い顔するんです。特に外出は。そして忘れるんです。そんなことを繰り返しているうちに、スタッフの顔を覚え始めてくれたんです。なんかとても安心したような表情を見せてくれるんです。だから直ぐに忘れてしまっても、その瞬間瞬間を大切にしていくと、なんだか良いことがやってくるんです。<br />
<br />
そう感じると瞬間の大切さを実感してきました。無駄ではないと。忘れてしまっても少しずつ蓄積された素敵な思いは必ず実を結んでくれます。<br />
<br />
だからあきらめずに今までもそしてこれからも、一瞬の素敵な時間を大切にしてあげたいと思います。そう思わせてくれているIさんに、感謝です!!
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2011-06-29T00:00:00+09:00
独居高齢者への対応
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1054#block67-1054
1
ここで独居高齢者の危険性も知らなければなりません。頼るではなく甘えになってしまうこと。頼れるろまん亭から何でも聞いてくれるろまん亭になってしまうと大変です。かといって無碍にも出来ないし・・・結局バランスが大切です。誠意を持って断る時は断り、聞ける時は聞く。このメリハリさえ出来れば大丈夫だと思います。<br />
<br />
やはり不安は皆さんあります。不安を取り除いてあげたいけど、その後の人生までは背負いきれない。ジレンマさえ感じます。そんな中で独居高齢者とお付き合いをしてきました。色々教わった気がします。独居の方々に教わってきた一つ一つが今に生きているし、現在進行形で身についている気がします。そして今後にもきっと役立つだろうし、若い世代の方々にも伝えるべきことが多く含まれている気がします。<br />
<br />
独居高齢者の方達との交流は大事な人生勉強の一つなんです。ありがとうございます!!
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2011-06-27T00:00:00+09:00
独居高齢者への対応
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1053#block67-1053
1
利用者さんの中には当然独居の方も多くいます。この中でも特に印象に残っているのがKさん(女)です。<br />
<br />
若かりし頃は今で言えばキャリアウーマンです。プライドが高く、曲がったことが大嫌い。嫌いなことには口で攻撃します。だから会話には大変神経を使いました。<br />
<br />
利用中Kさんが気にしていそうなことがあったり、誤解をしているような雰囲気があったらその日のうちに話しにご自宅まで伺います。すると話しが長い長い・・・2〜3時間なんてザラです。でもそうして話しを沢山聞いていると気が晴れてくるようで、最後は上機嫌。そうすれば次の利用も周囲に対して良い雰囲気です。こんなことが何度も繰り返されましたが、本当に我々を信頼してくれているようで、トラブル無く過ごすことができました。<br />
<br />
面倒見が良く、本人の機嫌を上げておくと周囲に対しても優しくしてくれるので神経をとにかく使い続けました。<br />
<br />
独居の方は被害妄想や悪いことを考えがちです。そんな不安定な状態を出来るだけ緩和してあげることも重要な仕事のうちだと教えて頂きました。
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text/html
2011-06-24T00:00:00+09:00
「ありがとう」の強さ
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1052#block67-1052
1
大正一桁生まれの利用者さん、口癖は「ありがとう」でした。何をしても「ありがとう」なんです。この言葉を家族にも惜しげもなく使っていました。<br />
<br />
この「ありがとう」とは、言われる側としては嬉しいものです。些細な事でもお礼を言われるような事でなくてもとにかく何かしてもらうと「ありがとう」なんです。言われた方はやはり気持ちも良いので、更に気にかけたりします。そう考えると「ありがとう」の言葉の強さに今更ながら驚きます。<br />
<br />
つい日常では「すみません」などの謝る言葉を多く使ってしまいますが、どんな時も「ありがとう」の方が良い事を教えてくださいました。<br />
<br />
言われてみれば納得な事ですが、身を持って体験するとかなり実感でき今日まで実践しているつもりです。<br />
<br />
この利用者さん実際家族からも大切にされていました。自分にとって嫌なことでも「はい」と素直に答えるその姿勢にいつも感動していました。<br />
<br />
普段教えてもらえないことをしっかり教えてくださったSさんには今でも感謝しています。
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text/html
2011-06-22T00:00:00+09:00
会話を楽しむ♪
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1051#block67-1051
1
利用者さんとの会話も慣れてきました。その頃になると認知症の方との会話も増えてきます。<br />
<br />
一般的に認知症の方の会話のイメージは「繰り返し」です。この繰り返しに対して家族は「もう何回も聞いている」や「うるさいな〜」などと否定的な返答をしてしまいます。実際これは余り良い対応とはいえません。・・・が、家族の方達がそのような対応になってしまうのは仕方ありませんし、我慢をしてしまうと家族のストレスが大きくなってしまうので無理はしないほうが良いと思います。<br />
<br />
そのためにデイサービスや他のサービスが存在するのです。<br />
<br />
僕らプロフェッショナルは何遍同じ事を繰り返されても何遍でも同じ事を答えます。決して否定せずに話しを合わせて行きます。そして最も良いのは認知症の方達の世界観を共有することだと思います。<br />
<br />
自分も認知症の方の想像の中に入り込んで物語の一員になって話を進めると、認知症の方も「話の分かる人」として少しずつ認識してくれます。もちろんそれには時間もかかるし、ダメな場合もあります。でもしつこくしつこく繰り返し繰り返し対応しているといつか受け入れてもらえるようになります。<br />
<br />
いえ、今まで殆どのケースで受け入れられました。そうすると誘導もしやすくなるので良い事づくし♪<br />
<br />
会話を楽しもう!!!
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text/html
2011-06-20T00:00:00+09:00
一番最初のお客様〜4
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1050#block67-1050
1
編み物や折り紙、ビーズに刺し子・・・手芸は何でも興味を持ちます。感受性も豊かです。明治生まれの方って素晴らしい!なんて思っちゃいます。<br />
<br />
言葉も沢山知っています。僕らの知らないことを沢山教えて頂きます。言葉遣いも丁寧なので、こちらも丁寧にあわせます。勿論田舎言葉のほうがしっくりくる方には田舎言葉で対応しますが(^^)<br />
<br />
何事に対しても感嘆の声を上げてくださるので、スタッフもつい良い気分になってしまいます。「なるほど〜、こうして人に対応すれば良い印象が残るんだな〜」また一つ勉強させて頂きました。<br />
<br />
これは介護だからではなく、人と繋がっていく為の大切な事なんだと感じます。このSさんからは山ほど色々教えて頂きました。これもひとえに利用者さんと密接に接することにより得られたものであります。<br />
<br />
利用者さんと密接になることにより様々な事を勉強できるんです。そんなことを教えてくれた方でした。<br />
<br />
これがろまん亭のスタートとなる最初のお客様の印象です。今コミュニケーションを大切にしているのは、このSさんのお陰なのかも知れません。<br />
<br />
さて、次回からもう少し介護・介助について様々な今までの事例を挙げながらお話ししたいと思います。
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text/html
2011-06-15T00:00:00+09:00
一番最初のお客様〜3
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1049#block67-1049
1
会話が出来なければどうしよう???<br />
<br />
ここで考えました。「う〜ん、何か教えてもらおうか?」<br />
<br />
Sさんの趣味は詩作り。他には毛糸の編み物です。編み物なんてしたことがありません。でも何もしないでいても仕方ないので、敢えて挑戦します。<br />
<br />
最初はガーター編み。なかなか真剣に教えてくれます。「あれ??良い感じじゃない?」<br />
<br />
自然に会話をしながら教えてもらいます。Sさんも孫くらいの僕に真剣に教えてくださいます。<br />
「そうか、なにも排泄介助や入浴介助だけが介護ではない。こうした心のコミュニケーションも大切なんだ。」と気づかせてくれました。<br />
<br />
ここからは挑戦です。如何に教えてもらった編み方で如何に良い作品を仕上げるか。Sさんは良い作品は期待していないでしょうが、びっくりさせたいではありませんか!!<br />
<br />
日々基本を習います。おしゃべりしながら。この頃になると自然に会話が出来ます。編み物だけではなく、その方の今までの歴史なども沢山お話できます。なんだかSさんも嬉しそう。<br />
<br />
「これが介護の醍醐味か!!!」
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text/html
2011-06-13T00:00:00+09:00
一番最初のお客様〜2
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1048#block67-1048
1
Sさんはろまん亭最初のお客様でした。とても上品で言葉遣いがキレイなんです。若い時「歌集」を出したりしていて、感受性も豊かで様々なことを教えて頂きました。<br />
<br />
腰が曲がってしまっていたけど、きっと若い頃は背が高くて美人だったと容易に想像できます。お子さんがいらっしゃらなかったので、姪御さん夫妻と生活しています。<br />
<br />
群馬に来て間もないと言うことで、知り合いも無く引きこもりがちになっていました。そんな状況が続くのは精神衛生上よろしくありません。そんなことで外に出て社会的な繋がりが持たせたいとの希望からデイを利用することになったのです。本人の性格上大人数のデイは嫌がってしまっていた所にろまん亭が開設したのです。しかも歩いて2〜3分ですからご家族も大喜び。ちなみに我々も初のお客様で大喜び♪<br />
<br />
そんな訳で開設後初のお客様としてSさんを迎え入れました。さて、どんな風に接すれば良いのか、当時介護に余り興味の無かった私はやや困惑気味でした。何を話して良いのかさっぱり分かりません。<br />
<br />
そんな中、当初のスタッフはベテラン、上手です。気持ちの乗せ方話し方。参考になります。<br />
<br />
私はまず当初のスタッフの対応を見ながら勉強することに決めました!手探りのデイサービスのスタートです♪
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2011-06-10T00:00:00+09:00
一番最初のお客様〜1
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1047#block67-1047
1
もちろん第一号のお客様はいつになっても忘れません。それにろまん亭の最初のお客様はとてもとても印象深く、大好きな女性でした。素敵な歳の取り方、見習いたいくらいです。これからしばらくそのお客様(利用者さん)のSさんについてお話ししたいと思います!<br />
<br />
どうぞお楽しみに♪
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text/html
2011-06-08T00:00:00+09:00
虐待に直面する〜ケース1〜最終章
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1046#block67-1046
1
介護の世界に入って間もない時期に起きた虐待。<br />
虐待の起きるきっかけやその家族、本人の気持ち。様々勉強になりました。<br />
<br />
虐待は一般的に力の強いほうが悪とされています。しかし今回のケースのように、やむなく虐待に発展してしまい、悪いこと・ダメなことと認識し反省し自己嫌悪に陥りながらも手を出してしまうケースがあるんです。発端が実は利用者さん側にあることだって沢山あるんです。そんな時はまず家族のストレスを沢山聞き出してあげること。そういう関係になるためには日ごろから家族とのコミュニケーションをしっかりとること。信頼関係をしっかり構築しておくことが必要です。ですので送迎スタッフには常々時間があるときは世間話でいいから必ず家族と挨拶以外の言葉を交わすように伝えています。<br />
<br />
もし今虐待に発展してしまいそうな方がいるようでしたら、たいして力になれないかもしれませんが、お話は沢山聞くことが出来ます!どうぞ一度連絡してみてください!また、今回のケースの更に詳細を知りたい方がいらっしゃったら併せてご一報お待ちしております。<br />
<br />
次回からはまた別のお話をさせていただきます。<br />
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2011-06-04T00:00:00+09:00
虐待に直面する〜ケース1〜8
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1045#block67-1045
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担当のケアマネージャーはろまん亭ではありません。<br />
ここまでこれだけろまん亭が関わったのには訳があります。担当ケアマネージャーに対しては家族が関わりたがらず、自宅での状況がケアマネージャーに伝わりにくかったのです。そこで細々情報を送っていたろまん亭に担当ケアマネージャーから直々に白羽の矢が立ったのです。<br />
<br />
そして前回までに書いたような状況になり、家族の苦悩、利用者さんの苦悩など僕が感じた事を正直に家族に話し、これ以降は担当ケアマネージャーも間に入れると言う事を約束させて頂きました。<br />
<br />
Oさんの結論から言うと、その後担当ケアマネージャーと家族の相談の結果、療養型の入所と言う方向になりました。この療養型は3ヶ月と言う期間があり、Oさんは病院を転々とし自宅に戻れないまま病院で他界しました。何度かお見舞いに伺ったのですが、もう反応もなく、僕を認識しているような感じも受けませんでした・・・<br />
<br />
これで良かったのか?もっと他に出来ることがあったのではないか?自問自答がしばらく続きました。
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2011-06-03T00:00:00+09:00
虐待に直面する〜ケース1〜7
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1044#block67-1044
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家族の心情が見えてきます。自宅での状況が見えない中では、どうしてもOさんよりの感情を持ってしまいますが、話を聞いているうちに家族の気持ちも理解できるようになってきました。<br />
<br />
イライラしてしまうので少し叩いたり抓ったり、でもその後は後悔をするんです。「もう手は上げない、暴力はしない」と誓うのですが、やはり日常の介護をするなかでストレスは溜まります。そして・・・少しの暴力が繰り返され、また反省して・・・<br />
無限地獄の始まりです。やってはいけないと思いつつストレスから手が出てしまう、少しのはずが強くなってきて・・・叩く抓るだけに止まらずエスカレートして・・・そして反省、自分を責めて・・・でも感情が止まらず・・・<br />
<br />
まさに無限地獄の様子です。でもこうして話しを聞いてあげることが気持ちを楽にして、しかも話しを聞いてもらった後はOさんにも優しくなれると言ってくださいました。心のケアが大切なんです。そして虐待されている方寄りの考えだけではなく、その家族の話を聞いてあげて、公平に見てあげないといけないんです。<br />
<br />
暴力を振るってしまった家族はそのことで周囲の目を気にし、心を閉ざしがちです。そうならないように、話しをしっかり聞いて同情ではなく、共感することが解決への近道になると感じました。
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2011-06-01T00:00:00+09:00
虐待に直面する〜ケース1〜6
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1043#block67-1043
1
Oさんの家族とお話をします。<br />
<br />
Oさんの自宅での様子や今に至るまでの経緯、若い頃の話などを聞き続けます。家族は止め処なく話していきます。これだけでも現在ストレスが強いことがはっきり分かりました。<br />
<br />
虐待の発端は些細なことです。認知症になってから、当然のことですが生活行動がわからなくなり始めました。もともと寡黙なOさんだったのが、寡黙に加えて家族の言っていることを理解できなくなっていたのです。すると家族は今まで出来ていたことが全く出来ないOさんに対してイラつきを覚えます。怒ります。でも本人はできません・・・あくまで出来ないのは当然ですが・・・<br />
<br />
そのうち認知症と診断されるのですが、その頃には病名が分かっていてもイラつきを抑えられなくなってきていたそうです。イラつきがピークになる頃、今度はOさんの存在自体にイラついてきます。要は生理的に受け入れられなくなってしまっていたのです。行く先は・・・手が出始めます。最初はちょっと叩くだけ、抓るだけ。しかも第3者には見えない部分を。<br />
<br />
これが発端の有様です。皆さんはどう感じますか?最初に『些細なこと』と書いたのは、原因が『認知症』と言う病気を理解しているかいないかにたどり着くからです。当時はまだ『認知症』と言う言葉より『アルツハイマー』か『老人性痴呆症』などといわれていました。今ほどメジャーな言葉ではなかったし、世間的にも余り理解があったとは言えません。<br />
<br />
つまり今思えば『些細なこと』。きちんとした理解があれば当時の虐待はなかったかも知れません。認知症になり始めた人、なった人の事・・・気持ち・・・を考えてあげられたら。。。。結果論なのでこの辺にしますが・・・<br />
<br />
まだまだ家族の話は続いていきます。時間をたっぷり取って伺ったのでとことん話を聞くことにしました。
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2011-05-30T00:00:00+09:00
虐待に直面する〜ケース1〜5
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1042#block67-1042
1
Oさんからの話を聞き、家族の話を聞いてまとめました。ここからはOさんではなく、家族とのやり取りにするようにします。まずはOさんに手を出してしまう原因と解決策を家族と一緒に考える事にしました。<br />
<br />
以前より家族とコミュニケーションを沢山取っていた為、今回の件の話し合いの場を作ることに殆ど抵抗無くたどり着けました。<br />
<br />
少しずつエスカレートしてしまう虐待の真実が見えてきます。<br />
<br />
一般的にテレビのニュースなどで聞く虐待は、弱者が利用者です。そして手を上げた人が基本的に「悪」とされています。しかし必ずしも手を上げた人が「悪」とは限りません。虐待に至るまでの経歴をしっかりつかみ、本人と家族としっかり向き合って対応していかないと、とんでもない間違えを招いてしまいます。<br />
<br />
今回のOさんのケース、確かに傷つけてしまった事はいけない事ですが家族の中にある悲しいストレスを汲んであげないと、収束には向かわなそうです。
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2011-05-29T00:00:00+09:00
虐待に直面する〜ケース1〜3
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1041#block67-1041
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ここでOさん本人からちょっと違う話になります。<br />
<br />
Oさんの痣や傷を少しでも減らそうと別の行動もしていたんです。<br />
それは家族とのコミュニケーションです。痣や傷のことには一切触れずに日常の介護負担や精神的に大変なことを聞きます。僕を含めケアマネージャー交互に出来るだけ毎回話しを聞きます。<br />
<br />
家族からも話しを聞くことによって、痣や傷が減り始めていました。ちょっとしたものはありますが・・・<br />
<br />
家族の話を聞くことが良い方向に向かっているのです。<br />
Oさんの話しを聞く一方で家族へのフォローも続けて行うことにしました。そのことにより、少しだけ落ち着いて対応できそうです。<br />
<br />
平行して行動することによって?でお話したように本人とも話しをすることに成功したのです!
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2011-05-29T00:00:00+09:00
虐待に直面する〜ケース1〜4
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1040#block67-1040
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Oさんは「わかりません」の一点張りでした。家族を守っているのか本当にわかっていないのか?<br />
<br />
根気良くOさんと話します。勿論直接的に『虐待』の言葉は使いません。世間話から家族の話しに入って・・・でも「わかりません」だけしか出てきません。ただ表情からは以前のような穏やかさが消え始め、何となく暗い感じを受けます。<br />
<br />
そんな日が数日続いた後、送迎で2人きりになることがありました。またいつも通り四方山話をしていて家族の話になります。あえて自分自身が自宅で大変なんだ・・と言うことにして伝えてみます。「Oさん、実は僕は自宅で奥さんに厳しくされてるんですよ〜」なんて感じで。(もちろん自宅でそんなことはありませんが)・・・、・・・、それまであった反応がありません。・・・、・・・、するとぽつりとOさんが言いました。「うちもそうだよ」<br />
<br />
キター!やっと自宅での話しに入れそうな雰囲気になりました!!この機会を逃さず色々話したいのですがそこを堪えて「え〜、Oさんのうちもですか〜、お互いたいへんですよね〜」なんて事を言いながら笑いあいます。ここで共感だけに留めたのがその後の話につなっがっていくことになったのです。<br />
<br />
虐待はデリケートな問題、焦ってはダメなんです。勿論状況によりますが、Oさんのケースではじっくり解決に向かえそうです。
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2011-05-27T00:00:00+09:00
虐待に直面する〜ケース1〜2
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1039#block67-1039
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その後Oさんの様子を伺い続けました。でも傷や痣は度々見受けられます。本人は分かっているのかいないのか。<br />
<br />
しかしある日、今までに無い場所、大きさになってきました。それまでは見えない場所に傷・痣があったのですが、少しずつ見える場所にも出てきてしまいました。そして決定的な傷・・・<br />
<br />
額に大きな痣・・・と思ったら火傷の傷が出来ているではありませんか!!家族はその件には全く触れません。でも明らかに傷があるんです。とにかくろまん亭につれて来て、入浴後手当てをします。本人は至って普通にしています。何となく聞いてみても「分からない」の一点張りです。<br />
<br />
その後は腕に切り傷のような痕、両足の甲に大きな水ぶくれ・・・ひどくなってきています。これは既に虐待と認めざるを得ません。本人はそれでも「分からない」の主張。でもこれはもう放っておけません。<br />
<br />
ただし、下手に動くとOさんが更に酷い仕打ちを受けてしまうかもしれないので、行動するにはもう一つ決定的な事、本人の認識を確認したいのです。そしてゆっくりですが、入浴時2人きりになるので全く関係ない話から始めることにしました。勿論目標は家族から何らかの暴力を受けているかどうかの確認です。<br />
<br />
Oさん話してくれるのでしょうか?展開によっては・・・大きな問題になってしまうかもしれません・・・
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2011-05-20T00:00:00+09:00
虐待に直面する〜ケース1〜1
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1038#block67-1038
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開設して間もなく男性の利用者Oさん。物静かで穏やかな性格です。小規模には向いています。スタッフが話しかけるとにこやかに応えてくださいます。このOさん、僕が生まれて初めて入浴介助をした方です。介助の仕方が分からないので、一緒に裸になっての入浴、まさに当初から裸のお付き合いでした。<br />
<br />
将棋が好きなんです。ただし一手打つのに最低でも5分、長いときには15分掛かります。お相手するのに流石に眠くなってしまいますが、そこは急かしません。あくまでOさんのペースで。<br />
<br />
物静かなOさんの利用は順調でした。本人もリラックスして利用できています。穏やかな時間の経過はこのまま続くものと思っていました。<br />
<br />
・・・でも・・・、ある日突然些細な変化が起き始めます。そうです、腕や足に不自然な痣が出来始めたのです。本人は少々認知があったので、遠まわしに聞いても「分からない」との返答ばかり。でもその「分からない」も何となく不自然に感じます。さらに時間を置いて遠まわしに。すると黙秘です。明らかに何かを隠している様子。<br />
<br />
虐待と位置づけるには確信が持てず、その後様子を見続けることにしました。
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2011-05-17T00:00:00+09:00
何事も受け入れるということ
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1037#block67-1037
1
ろまん亭の初期に利用していた明治・大正初期の利用者さん達のすごいところ。家族とのトラブルが何故か少なく、ゆったりとすごしていました。<br />
共通することは、周囲からの要求に素直である事、受け入れる事。そして感謝の気持ちが前面に出ていること。本当に些細なことにも感謝の気持ちを伝えてくれて、いつも涙がでそうでした。何もできない自分に対してもいつも「ありがとう」を言ってくれました。だから一層やさしくできたのかも知れません。そんな方たちに最初恵まれたので、ラッキーと言う他ありません。<br />
<br />
でもこの受け入れるということには少なからずストレスがあったはずです。自分の意に沿わない事だって沢山あったはず。周囲の都合で動かされることだってあったはず。それでも受け入れて来た方たち、尊敬に値します!!だから僕らも利用者さんの意向にはできるだけ沿うような形をつくりあげたいと思います。<br />
<br />
これから僕たちはそんな素敵な歳をとるため、また、素敵な関係を作り上げていくために日々現場で体当たりで介護していくことでしょう。<br />
当時の明治・大正初期の方々は既に他界しました。その方たちの素敵な気持ちを脈々と受け継ぎ、初心を忘れず、皆さんに笑われないようなろまん亭を目指したいと思います。<br />
<br />
感謝。
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2011-05-15T00:00:00+09:00
明治生まれの強さ
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1036#block67-1036
1
開設当初は明治生まれの利用者さんが3名、大正一桁生まれの利用者さんが複数名いました。当時の生まれの方はつくづく強いな〜と思いました。(いまでもそうおもいますが)<br />
特に感動する心がとても豊かだと思いました。自然に対する感動、手芸品に対する感動など様々な物に興味を持ち感動する。素晴らしいと思いませんか?そんな中で仕事をスタートさせられて、とても幸せだったと思います。小規模ゆえの特典だったかも知れません。<br />
<br />
もちろん現在の利用者さん達だって、感動する心はありますが、各時代によって様々な特色が出るんだなぁ〜と感じているここ数年です(^ ^)
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2011-05-13T00:00:00+09:00
方針の決定
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1035#block67-1035
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ろまん亭の特徴を出すためには?小規模なデイサービスなので、特色を出さないとやっていけません。<br />
<br />
そこで当時考えたのが<br />
?食事の充実・・・品目を多くして、高齢者だから和食!!なんて概念はナシ!!中華・洋食なんでもOK!揚げ物から丼物までとにかく若者と同じようなものを出していこう!勿論制限のある方にはそれように作ります。<br />
?手芸など・・・とにかく一緒に作業をして、完成の喜びを分かち合う事。同じような作業の中、分からないことは積極的に利用者に聞くこと。これにより利用者さん本人の価値を感じてもらうこと。<br />
?とにかく話す・・・自分のじいちゃんばあちゃんと同じように会話をすること。勿論礼儀は忘れずに。<br />
?自分の立場・・・これば重要。常に「教えていただく」この心を持ち続ける。<br />
<br />
特に?は、長く介護をしていくにあたり、重要な項目になってきました。色々な介護現場従事者を見ていると時々勘違いしてしまう方がいます。「やってあげている」「教えてあげる」などと目的を間違えて認識してしまう方がでてきます。<br />
ろまん亭では常に会話を多くする分、その場で利用者さんから様々な事を学ばせていただく姿勢を忘れないようにしています!
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2011-05-12T00:00:00+09:00
何でも学ぶ
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1034#block67-1034
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デイを始めて学ぶことばかりです。<br />
<br />
そんな中、何と編み物を利用者さんから習うことになりました。当時の利用者さんは手芸大好きな方が多く、日がな編み物をしながらお話を楽しみました。一緒に作業すること、つまり趣味を共有することの大切さを学びました。<br />
男だから何々はできないとか、そんな事言っていられません。ただひたすらに利用者さんが楽しんで頂けるように努めました。今風に言うと『編み物王子』ですかね〜・・・<br />
この共有という言葉は介護にとってたいへん重要な事・・・と認識するまではもう少し時間がかかりましたね〜。。。<br />
<br />
因みに当時沢山作品を作りました。帽子からベスト、靴下まで。もちろん模様編みだってお手の物!!!その時の写真が出てきたらアップします(^0^)
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2011-05-04T00:00:00+09:00
定期的に利用して頂くために・・・
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1033#block67-1033
1
この10年間デイを続けて初めて、介護サービスを初めて利用する方について感じた事があります。新しい環境に入るのは老若男女問わず、少しの勇気が必要です。これが高齢者になればなるほど難しくなってきます。「いまさら新しい環境は必要ない」とか「そんなとこには行きたくない」など理由は様々。その方たちを定期的に利用して頂くには、ゆっくり信頼関係を築かなければなりません。<br />
<br />
ろまん亭のある利用者のケースでは、他のデイサービスを見学に行った際、入り口からまったく動かず拒否がでてしまう利用者さん。数箇所見学したらしいけど全てNGだったそうです。そこで、担当のケアマネージャーがろまん亭に白羽の矢をたてました!幸い民家を利用しているので、入り口・・・玄関ですが・・・もスムーズに入ってきます。スタッフも利用者に対して人数が充実しているので、会話も沢山できます。本人も何となくその気になります。・・しかしここで焦ってはいけません。 利用開始に当たっては常々家族に伝えているのですが、はじめは本人の自由に利用して頂きます。迎えの時間、帰りの時間などなど。特に初日は緊張のため疲れるので、早めに帰宅できるようにします。そして沢山会話をします。必要なキーワードなどを探りながら、とにかく話します。そうして半月から長くて一ヶ月位すると、不思議と他の方々と同じペース、時間で利用できるようになります。つまり、環境に慣れるまでゆっくりでも根気よく待つことです。一度しっかりした信頼関係を作れれば、大抵長く利用して下します。ろまん亭のある利用者さん、そこからやむを得ない理由で利用中止になるまでの4年間、安定して利用してくださいました!<br />
<br />
だから家族の皆さん、早く利用して欲しいのは本当によく分かりますが、長く定着しストレス無く利用していくためには最初が肝心なんです(^ ^)ゆっくりでも良ければお手伝いさせていただきます!!
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2011-04-30T00:00:00+09:00
信頼関係は・・・
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1032#block67-1032
1
高次脳機能障害時刻失効症・・・と、やたら長い症名がついている太郎さん。果たして信頼関係は持てていたのでしょうか?<br />
<br />
僕は僕なりに色々考えました。認知症になっても忘れない部分があります。それは生活習慣です。勿論場合によっては忘れてしまうこともあるけど、太郎さんは生活習慣は残っています。つまり繰り返し繰り返し刷り込んでいけば、いつかは覚えられる・・・いや、習慣付けられるかも知れない。だから太郎さんとは繰り返し合戦となりました。飽きもせずに繰り返されたら繰り返え返し・・・延々と続けてみます。結果お互い何となく通じ始めているようなきがしてきました。その時「そうだ!僕らも認知症の人たちの世界に入っていけばししのかも!」と思い、相手に言われたことの世界観に浸ることにしてみました。<br />
<br />
すると・・・反応が少しずつですが出てき始めたのと、相手が自分のことを認めてくれたのか、頼り始めたのです!ここから不思議な信頼関係が生まれてきたのです。
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2011-04-25T00:00:00+09:00
答えのない堂々巡り
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1031#block67-1031
1
認知症と対峙してその当時は答えの見つからない堂々巡りをしていた気がします。認知症と認識しながらもどこかに『分かってほしい』と思ってしまい、過剰な期待を持ちながら接していた気がします。そしてストレスから太郎さんに対して強く出てしまって仕事後に反省。・・・繰り返しです。その時考えたのは「あ〜、家族介護ってこういうことなのか」ということです。安易な期待と認知になる前の本人を知っているが故のギャップ、これが家族介護のストレスの原因且つ答えの出ない堂々巡りのスタートです。ここで割り切れるか否かでその後の介護に影響すると切に考えさせられました。<br />
<br />
太郎さん、本当に良い経験をさせてくださっています!
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2011-04-22T00:00:00+09:00
認知と正常の狭間で・・・
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1030#block67-1030
1
認知の利用者だって毎日戦っているんです。認知症と。太郎さんの介助の時に痛感しました。認知症を怖がったり、認知症の人を遠ざけたりと、まともに向き合うことをしていなかった自分には衝撃の事実でした。太郎さんはそのことを僕に教えてくれました。本人だって辛いんです。周囲の人が手を差し伸べなくてどうするんですか?!僕は太郎さんに対してしっかり向き合いながらサービスする事を心に誓ったのです!更なる困難も待ち受けているのですが・・・・・<br />
<br />
当の本人太郎さん。時間に追われて大変です。・・・もちろん時間に追われる事は実際には無いのですが・・・でもその気になっているから当事者はさぁたいへん。緊張やストレスがかかってしまいます。少しでもリラックスできるように沢山声掛けしてみます。 認知と僕の声の狭間で太郎さんは時折僕の声に反応・応えてくれようとしています。感じるんです。太郎さんの心を・・・太郎さんも必死に認知と戦っていたのかもしれません。
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text/html
2011-04-20T00:00:00+09:00
繰り返しとの戦い?!
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1029#block67-1029
1
さて、衝撃的な出会いから僅か、早速戦いが始まりました。太郎さんは「まだらボケ」と言われる状態で、正常な時間と分からなくなる時間が交互にやってきます。知識の無い私は不思議でした。正常な時はとてもしっかりしていて、政治・歴史・地理・本などまともに話せます。でも分からなくなる時間は・・・まるで別の世界へ行ってしまったかのような状態。何度同じ質問をし何度同じ答えを返す。この繰り返しでした。もともと気が長いほうなので余り苦にはなりませんでしたが、流石に不思議な気持ちで一杯です。それでも同じ質問に同じ答えを返し続けてみました。・・・するとこれまた不思議なことに何かが通じ始めてきたような感覚が湧いてきたのです。もしかしたら太郎さんも何か感じていたかも知れません。・・・コイツは話を聞いてくれるヤツ・・・なんて思っていたかも(^0^)<br />
<br />
不思議な意思疎通で日々が流れていくのでありました・・・
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text/html
2011-04-19T00:00:00+09:00
認知症との出会い
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1028#block67-1028
1
食事を作ったり入浴介助したり、日々がゆったりと流れます。そんな時新規の利用者がやってきた。そう、この方が僕が介護職を続けるきっかけとなった「太郎」さん(実名は伏せさせていただきます)だった。認知症をまだしっかり把握していない自分にとってとてはかなりの強敵でした。いわゆる「高次脳機能障害、時刻執行症」と診断されていた太郎さん。この人との出会いが全ての始まり。悪戦苦闘、自問自答、日々反省と自責の繰り返し。10年も前の事柄を今少しずつ語れれば良いなぁと思う。細かい日にちはご愛嬌、思いつくままこの『轍』の中で綴っていきます・・・
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text/html
2011-04-18T00:00:00+09:00
初めての入浴介助
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1027#block67-1027
1
資格を持たないまま初めての入浴介助にチャレンジです。しかしデイサービスの浴槽が改装工事中だったので、何も知らないまま利用者のじいちゃん連れて銭湯に行きました。一緒に裸になっての介助なんて今では考えられませんが、何も知らないので一緒に入りました。とにかく安全に入浴できるように心がければ技術が無くてもできるものです。何とか無事に入浴完了!じいちゃんも思いがけなく銭湯に入れて大喜びでした。これでヘルパーの勉強すればより一層喜んでいただけると確信しました。・・・この辺りから少しずつ介護の仕事に興味を持ち始めるのですが・・・介護の仕事で頑張ろうと思わせる出会いがその後あるのですが・・・
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text/html
2011-04-16T00:00:00+09:00
知識無い管理者
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1026#block67-1026
1
なんとなく手伝うことになったデイサービス。介護の知識や技術、気持ちまでも持ち合わせない管理者でした。ただ、サービス業だった職業柄、利用者さんには楽しんで頂きたくて唯一誇れる食事だけは充実させるように努力しました。また、送迎も専用の車も無かったので普通車での送迎・・・でも意外と利用者さんの家族には好評でした。いわゆるデイのネームが入っていないので、ご近所の体裁を気にしなくても済むからです。こうして知識の無い経営者としてスタートしたわけですが、案外好評な部分が多くてびっくり!介護の現状はどうなっているのか知りたくなり、ヘルパー2級取得へと気持ちが向くのでした。
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text/html
2011-04-15T00:00:00+09:00
初めての介護現場
https://ro-man-tei.jp/publics/index/38/detail=1/b_id=67/r_id=1025#block67-1025
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介護の仕事に就く前は、東京で10年ほどカフェバーで働いていました。独立するに辺り、退職、一時帰省。そのときひょんな縁で介護の仕事を始める事になりました。