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ふれあいと和みの家
≪大利根ろまん亭≫


●有限会社ゲン
〒371-0822
群馬県前橋市下新田町329-11
TEL.027-252-7735
FAX.027-252-7782

≪大利根ろまん亭≫
介護支援事業
≪大利根ろまん亭≫

ろまんな轍~介護史~

・・・・・・轍・・・・・・

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家族のキモチ。〜入所を決める事〜最終章

2012-02-29
 ジャックさんはジレンマを感じながらも頑張って介護を続けました。出口の見えない介護ほど精神的肉体的に負担は大きいものになります。

 そんな中、担当のケアマネージャーが勤務している会社で、新規に入所施設を立ち上げる話が出ました。しかしそれまでには約半年くらいかかります。でもいよいよジャックさんはベティさんを入所させる決意をします。

 入所の意志が決まった後、気が抜け始めてきたのでしょうか、介護の負担が今まで以上に辛く感じてしまいます。やっと先が見えて、ホッとして緊張感が緩んでしまったのだと思います。こうなると毎日の介護が厳しくなるので、緊急に約半年間入所できる所を探します。

 とりあえず見つかりました。

 半年間はそこに一時住まい、その後新しく出来た施設に入所です。

 半年後、無事に入所しました。

 ジャックさんはその後たびたび面会に行っているそうです。最期にお会いした時も、入所で良かったのか悪かったのか・・・自分の気持ちがまだ整理できていない様子でした。

 それも時間が解決してくれるはずです。今回の入所は良かったことです。あのまま在宅での介護を続けていたら、ベティさんの前にジャックさんが倒れてしまったかも知れません。

 全てが落ち着いて、自分の生活リズムを取り戻せた時に初めて

 「あの時入所を決めて良かった」・・と思えるのかもしれません。そしてそれまで以上にベティさんに優しくなれるのかも知れません。

 風の便りに聞きました。正月には施設から外泊で自宅で面倒を見ていると。

 そうなんです。入所させてしまっても家族の温かさは失われません。その家族の事を忘れない限り。在宅で面倒を見れなくても、他に優しくできる方法だってあるはずです。

 一人で頑張り過ぎない介護が必要かも知れません。

                                                       おわり

家族のキモチ。〜入所を決める事〜その7

2012-02-20
 この頃になると当然担当ケアマネージャーも入所を念頭に入れたプランの提供をしていました。しかし、家族が頑張る!!と、頑なに主張しています。体も心もぼろぼろになりつつあるのに、まだ頑張ろうとしています。このままでは本当にベティさんではなくジャックさんが倒れてしまいそうです。

 ベティさんの入所については娘の反対も大きくありました。でも娘は別居です。現実がしっかり把握できていません。週に一度自宅に来るくらいですから、毎日の葛藤を知る由もありません。

 〜まだ大丈夫だし、入所なんてかわいそう・・・〜

 的な感覚を持っていました。悠長な事は言っていられません。介護は先の見えない戦いです。年齢が若ければ若いほど先は長く、大変な物です。

 当時のベティさんの状況は、全ての理解が難しくなっているので、入所になっても何とか大丈夫ではないかと思いました。あとは入所先のスタッフさんたちが上手くやってくれるはず。さすがにジャックさんにも入所できる所があれば、手続きだけでもしたほうが良い・・・と直談判です。

 勿論デイを利用してくださるのは嬉しい事ですが、それより何よりジャックさんの今後も心配です。

 何事かに興味を持てて、自宅と自宅外との区別が出来たり、少しでも物事を覚えていられれば在宅でも頑張る余地があります。しかし全てわからなくなってしまっている以上、これからの努力はかなりへビィなものです。いよいよジャックさんにも決断が必要な時期が来ています。

 あとはどのように自分に納得し、割り切れるか・・・

 今まで一緒に生活してきた妻です。すぐに割り切れません。子供も一緒に育ててきました。思い出だって一杯あります。どうして入所をすぐに決められるでしょうか。悩んで当たり前です。ベティさんも辛いでしょうが、実はジャックさんが一番辛いかも知れません。

 入所させてしまった事を一生忘れずにいなければならないのですから・・・

 現実は・・時間は待ってくれません。日々辛くなる介護。入所と在宅とのジレンマ。決断の時は迫っています・・・

                                     つづく

家族のキモチ。〜入所を決める事〜その6

2012-02-16
 ベティさんの認知がゆっくりでも進みながら2年が過ぎようとしていました。その頃になると、日常生活の行動は殆んどと言って良いほど出来なくなりました。

 ジャックさんでは朝の着替えもさせられません。ベティさんがかなり強い拒否をしてしまいます。これにも理由は有ります。いくらジャックさんが言い聞かせても、ベティさんは言う事を聞きません。むしろ逆切れして大声を出し暴言を浴びせます。当然ストレスが積み重なっているジャックさん、我慢できず大声を出して怒鳴ったり、時には手を上げてしまいます。その悪い部分の印象が強く残ってしまっているのです。

 認知症の方は一般的に悪い印象がよく残っているといわれます。楽しい事や嬉しい事より、不愉快な事や怖い事の方が強く印象に残るのです。ですからデイでは悪い印象が付かないようにいつもニコニコ笑顔で常に相手に同調しつつ、対応します。この作業はなかなか家族に出来る事では有りません。(なんといっても家族は24時間一緒にいるのですから)

 ジャックさんの介護も限界が近づいているように感じます。

 しかしジャックさんは「入所」と言うことに中々踏み切れません。何故でしょうか?

 色々な心境があったと思います。

 夫婦2人暮らし。寂しさもあるかも知れません。

 ベティさんもジャックさんも70代です。まだ入所には早いと思っているのかもしれません。

 娘達への体裁もあるかもしれません。

 世間からはまだ若いのに介護を放棄したと見られてしまうかも知れません。

 でも・・・でも・・・・でも・・・・・、限界なんです。心も体も限界が近づいています。

 デイの我々が見ていても、良く介護をしています。面倒を見ています。周囲の方々が何と言おうと、僕達はちゃんと見ていました。ジャックさん、頑張っていました。ジャックさんを攻める事は絶対に出来ません。本当に頑張っていました。

 だから・・・だから、入所の話もお勧めしました。ジャックさんの生活が崩壊してしまう前に手を打たなければなりません。

 だから・・・だから、担当のケアマネージャーにも連絡しました。

                              つづく

家族のキモチ。〜入所を決める事〜その5

2012-02-15
 いつ徘徊するか分からない状況です。ですからジャックさんはベティさんが自宅に居るときは余り落ち着けません。そしてなれない家事もこなさなければ・・・負担はどんどん大きくなる一方です。

 ベティさんはと言うと・・・当然認知症が進行します。ろまん亭を利用されてからは比較的ゆっくりな進行だったと思います。しかしろまん亭利用開始から1年が過ぎた頃から変化が出て来ました。

 日常動作が分からなくなり始めたのです。例えば・・・歯磨きの仕方が分からない、箸の持ち方・使い方が分からない、立ったり座ったりの動作が分からない・・・日に日に理解できない事が増えていきます。こうなると家族は更に大変になってきます。着替え一つもスムーズに出来ません。

 家族に対してはベティさんも甘えが出るのでしょう、ジャックさんの言う事には一々反抗します。そうなるとジャックさんもイライラしてきます。声が大きくなってしまったり、手が出てしまったり・・・悪循環の始まりです。この魔のスパイラルを抜ける方法は正直言ってすぐに見つかりません。

 介護のサービスでも限界があります。在宅にいられるのは、ジャックさんの気持しだいとなってきます。

 ところで、デイサービスでのベティさんの状態は・・・やはり外に出ると自宅とは少し違います。こちらの誘導にも特に強い反発無く動いてくださいました。(もちろん段々と反発は出てくるのですが・・・)

 生活習慣などが分からなくなっても接する方法はあります。「何々しましょう」などと言っても理解できないのですから、本人はイラつきます。

 なので誘導したい時はまず雑談をします。ベストなのは笑わせること。楽しい気持にさせて、気持を話題に集中させます。

 例えば座ることが出来ない時。楽しく雑談をしながら、特に声をかけずにまずスタッフが座ります。そして声をかけずに手でイスを指して、無言で「どうぞ」と言う雰囲気を出して座ることを促します。そうすれば後は自然とイスに座ります。動作を忘れているのではなく、言葉が分からないだけなので、特に意識をさせずに習慣を利用すれば大抵の行動を誘導できます。

 でもこれを家族に求めるのは正直酷だと思います。だから在宅は難しく、厳しい物なのです。

 その厳しい介護の状況にジャックさんは追い込まれていってしまいます・・・

                       つづく

 

家族のキモチ。〜入所を決める事〜その4

2012-02-06
 ベティさん、利用開始当事はよく外出しました。徘徊がある方だったので、無理に行動制限せず、本人が外に出たそうなら付き添って気の向くまま、スタッフと一緒に歩きました。

 ある程度疲れが見えてきたら、「あそこに休憩所があるから休んでいきましょう!」なんてお伝えすると、スムーズにろまん亭に戻る事が出来ました。一日のうちに3〜4回くらい歩く事もあったのです(^−^)

 歌が大変上手でした。声が良く、沢山の歌を知っていたので、唱歌から歌謡曲など様々な歌を教えていただきました。本人も気持良さそうでしたし、とてもノリが良かったので、毎日歌三昧。

 でも排泄のコントロールが出来ません。ほぼ常時失禁状態。ろまん亭の利用当初もそんな感じでしたが、一時は失禁も抑えられていた時期もあったのです。本人の仕草でトイレのタイミングを見ていたので、利用開始してから半年くらいで失禁前にトイレに誘導できた物です。

 トイレの誘導も直接的な声掛けより、歌を歌いながら「何となく誘導」です。

 入浴は余りお好きではなかったので、拒否が強かったな〜(^−^;このときも歌を一緒に歌いながら「何となく」誘導して入っていただきました。

 利用もおおよそ順調です。スタッフの顔も覚えてくださったようです。

 ただ、問題なのはご自宅での事です。ベティさんの面倒は全てジャックさんが見なければなりません。炊事・洗濯・排泄・・・家事全般をジャックさんが担います。

 当のベティさんは認知が進んでいて、家の事とは出来ません。それどころか、隙あらば徘徊してしまいます。利用開始してからも数回の徘徊があり、そのうち2回ほどは一晩中かけての徘徊でした。

                                                  つづく
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